インターネット上で商品やサービスのプロモーションを行う「WebPR」を完結させるには、「効果測定」が不可欠だ。最終回となる今回は、WebPRを実施した企業が最低限把握しておきたい測定指標を紹介する。
インターネット上で商品やサービスのプロモーションを行う「WebPR」について、企業が伝えたいメッセージを波及させる方法や、商材の認知度を拡大させる戦略を、5回にわたり紹介してきた。最終回となる今回は、WebPRを完成させるための「効果測定」について、その指標を紹介する。
効果測定は、WebPRにおいて定めた目的に、どの程度貢献できたのかを評価することだ。効果測定で重要なのは、計測可能かつ具体的な指標を決めることである。
実際のWebPRにおいて定めておきたい指標を大きく分けると「定量的指標」「定性的指標」の2つである。その要素を細かく分類すると、以下の項目になる。
効果測定で注意すべき点は、指標の数値だけの把握にとどめないことだ。なぜなら、WebPRは質を重視したプロモーション活動であるからだ。例えば、ある飲食店のWebPRで効果測定をした際には、たくさんの記事が書かれることよりも、むしろ客観的かつ好意的な記事が書かれていることの方が、顧客を呼び込むためには効果的だった。
基本的には、WebPRの評価は数値という「量」をメインに据えるべきだが、消費者の反応をつかんでプロモーションの改善点を見つけるには、定性的な「質」にも踏み込んで分析する必要がある。すなわち「定量的効果」と「定性的効果」という2つの側面を把握することを心掛けよう。
定量的効果を測定する指標として用いられるのが、(1)Webニュースの露出件数、(2)ブログ記事の投稿数、(3)Webサイトのページビュー数、(4)Webサイトのユニークユーザー数――である。
(1)Webニュースの露出件数は、企業が打ち出した情報がWebメディアにニュースとして取り上げられた数、(2)ブログ記事の投稿数は、消費者が投稿したブログ記事の数のことだ。Webニュースの数は情報がどれだけ波及したかが分かるし、ブログの数は消費者の反応がどれだけあったかを把握できる。これらの指標は、企業側が投げ掛けた情報の拡散の度合いを示す客観的な数値となる。加えて、情報の波及の度合いがどれだけ大きかったか、どのメディアからの情報発信が効果的だったかということも読み取れる。
(3)Webサイトのページビュー数は、WebPRの対象となる商品サイトの閲覧数、(4)Webサイトのユニークユーザー数は、実際の訪問者数を指す。ページビューからは商品に対する興味の度合いを推し量ることができるし、ユニークユーザー数からはプロモーションに対して行動を起こした人の数が分かる。これらの指標は、WebPRの働き掛けに対して起こった結果とも言い換えられる。
ただし、ページビュー/ユニークユーザー数は実数にすぎない。Webサイトに訪問した消費者はポジティブな興味を持っていたのか、ネガティブな批判の気持ちを抱えていたのかまでは判断できないのだ。
このように、定量的効果の測定においては、2つの方向から量の結果を測定する。Webという池に投げ入れた石がどのような波紋を広げ、どの程度の勢いで跳ね返ってきたのかをきちんとつかんでおくことが求められる。
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