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» 2009年10月21日 08時00分 公開

浮上するもう1つの企業メディア:進化を遂げてきたウィジェット (1/2)

ウィジェットの普及に企業が目を付けた。自社のマーケティングに生かそうとする考えだ。成功を求めて試行錯誤を繰り返しているが、明確な答えはまだない。ウィジェットマーケティングを成功に導くために、まずは進化を遂げてきたウィジェットの歴史を知ることから始めよう。

[竹下直孝,ITmedia]

 ウィジェットという言葉をご存じだろうか。

 ウィジェットは、インターネット接続ができるPCや携帯電話などの端末、ブログやSNSなどのWebサイトで動作する小型のアプリケーションである。ブログに設定できる「ブログパーツ」や「PCデスクトップウィジェット」、携帯電話やスマートフォンで使える「アプリケーション」もすべてウィジェットに含まれる。

PCデスクトップ上にある「デスクトップガジェット」ブログサイドバーに設定された「ブログパーツ」 (図1:左)PCデスクトップ上にある「デスクトップガジェット」、(図2:右)ブログサイドバーに設定された「ブログパーツ」

 ウィジェットへの関心が高まった時期は、2008年の春先である。このころを境に、国内外のウィジェット関連の新サービスやウィジェットを搭載した端末が、Webメディアなどで取り上げられるようになった。それと足並みをそろえるかのように、さまざまなプラットフォームを活用したウィジェットサービスが生まれていった。今でこそ、多くの企業にウィジェットの価値を理解してもらえるようになったが、ウィジェットが出た当時は興味を持ってもらうことすら難しい状況だった。

 こうした動きに呼応して、ウィジェットを活用してマーケティングや販売促進の成果につなげようと考える企業が出始めた。さまざまなマーケティング担当者から「ウィジェットを使ったマーケティングを検討したい」と声を掛けていただく機会が多くなったのもこの時期だ。

 だがマーケティング手法としてのウィジェットは発展途上であり、有益な情報は不足している。成功事例は国内外を問わず限られており、成果に結び付くコンテンツや効果測定の指標も明確には定まっていない。多くのマーケティング担当者は、ウィジェットに関心を抱きつつも、具体的に何をすればいいかが分からず、途方に暮れている状態だ。

 本連載では、ウィジェットの市場規模やマーケティングへの活用法をひも解き、企業がウィジェットマーケティングで成功を収めるためのポイントを、具体的な事例を交えて検証したい。同市場の全体像やウィジェットを届けるプラットフォームの特性を正確に把握することは、ウィジェットをマーケティングで効果的に活用するために不可欠だ。まずは、ウィジェットがどのような形で進化を遂げてきたかを考察する。

主なウィジェットの種類と特徴

 ウィジェットが登場した2004〜2005年ごろは、PC上で起動する時計やカレンダーなどのツールが中心だった。2005年末ごろから、インターネットの常時接続環境が普及し、Web上のコンテンツを集約して表示するRSSリーダーや天気予報関連のウィジェットコンテンツが出てきた。さらに、ブログやSNSの日記に表示(張り付け)して、利用者間で情報をやり取りするウィジェットが市民権を得た。ウィジェットという概念は、ここ数年で飛躍的な広がりを見せた。

 そして現在、Webやデバイスなどの環境において、ウィジェットという名称を冠した多くのサービスが展開されている。図3は、現在ウィジェットが展開されている代表的なプラットフォームや環境を整理したものだ。

ウィジェットを展開している環境 (図3)ウィジェットを展開している環境

 この図では、横軸はウィジェットの種類として「Web張り付け型」および「デバイス常駐型」、縦軸は利用場面として個人で楽しむ「パーソナルユース」および複数人での利用を想定した「共有/コミュニケーション」と設定している。ここにウィジェットの各サービス環境を配置して4つのグループに分けると、特徴は以下のものになる。

- 環境 用途
(1) ブログ/SNS Web上における個人間の情報共有とコミュニケーション
(2) PCデスクトップ/マイページ型サービス PCを基にした個人利用
(3) 携帯電話/スマートフォン/パーソナル機器 モバイル端末上での個人利用
(4) テレビ リビング端末上での新しい情報共有

 ウィジェットを「情報を配信するメディア」ととらえた場合、その特性は、企業が個人に直接情報を届けられるという点にある。ウィジェットを活用したマーケティングを行うことでもたらされる成果は、(1)利用者との関係構築の強化、(2)新たな顧客へのリーチ――の2つだ。企業側はこの特性を理解しつつ、ウィジェットをマーケティングに活用するための施策を講じていく必要がある。

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