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» 2009年11月16日 10時00分 UPDATE

世界で勝つ 強い日本企業のつくり方:大前研一の辛口ニッポン応援談(後編) (1/5)

日本の教育を改革する際の方法は2つ。「スーパースパルタ」の韓国方式と徹底的に考える力を養う北欧方式だ。

[構成:怒賀新也,ITmedia]

 民主党はしきりに脱官僚というが、「脱官僚」とは今官僚がやっている仕事を今後は誰がやるのかということだ。もちろん政治家がやらなければならないが、肝心の民主党の力量が分からない。彼らの政策集を見ていると思いつきのアイデア集というか脈絡のない願い事が並び、こういっては失礼だがまるで「七夕の短冊」のような印象を受ける。

 今回の選挙では、僕の教え子も複数民主党から当選しており、民主党に対して決してネガティブな立場ではないし、政権交代には大賛成だ。しかし、なまじ個々の政策や人材を知っているだけに、彼らに強いリーダーシップを発揮できるのか、官僚がうなるようなビジョンを出せるのか、不安を感じる。

リーダーシップをとれる人材がいない日本

 日本はリーダーシップのとれる人材が圧倒的に不足している。ロシアのプーチン大統領や中国の指導者のリーダーシップは強烈だよ。僕がアドバイザーを務めていた中国・大連市長の薄烈来(ハク・キライ)さんという人がいるが、彼は僕がアドバイスしたことを次の月にはもう実行に移す強烈な個性と指導力があった。毎月「もう次はないですか」という感じなんだ。いまは重慶市の書記で、彼が着任早々町の景色が変わるくらい大きく変わった。

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 重慶マフィアと呼ばれた悪い奴らを片っ端から刑務所に突っ込み(総計1544人!)、ゴミなどを拾わせ、街はすっかりきれいになった。それから経済エンジン全開で、2007年の12月着任以来年率13%で伸びている。米国のフォードから400億円の自動車工場の建設を引き出し、日立にはモノレールを発注している。これを2年経たずにやってしまうのだから半端ではない。すでに実績をぶら下げて北京入りする、といううわさも出はじめている。

 中国は独裁国家といわれているが、市長レベルでは非常に人材が育っている。ひとりの人間の登場で街がよみがえるほどだ。それに比べたら日本の地方自治体の首長はだらしがない。マスコミにはよく顔を出すが、彼らは実際に自分の自治体の経済発展のために何をやったのか、4〜5年後に、GDPが上がるなどの業績を残したかと問いたくなる。

 中国は5年連続で8、9%という経済成長を成し遂げた――といった実績でリーダーを評価する。民主党の行政刷新会議に現職の知事が入っているようだが、中央に対して物申すことで有名になった知事を集めて何かやればそれが地方自治といえるのだろうか。僕の眼にはお笑いに映るよ。

 インドネシアもスシロ・バンバン・ユドヨノ大統領になって見違えるような国になった。僕はマレーシアのマハティール元首相のアドバイザーを18年やったが、優れた指導者というのは、国を良くするためには何が必要かという点に関して妥協をしない。とことんやる。彼も僕が行くたびに質問の山だったよ。何かあればすぐに閣議を招集して、実行に移す。

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