日本で横行するマルウェア「Zeus」、関与した2人を逮捕

日本での感染被害が突出して多いマルウェア「Zeus」に関与したとして、英国で男女2人が警察に逮捕された。

» 2009年11月19日 08時11分 公開
[ITmedia]

 パスワードの盗難などに使われ、日本での感染被害が突出して多いマルウェア「Zeus」(別名Zbot)に関与したとして、英国で男女2人が警察に逮捕された。セキュリティ企業の英Sophosや米Symantecが11月18日のブログで伝えた。

 両社が報道を引用して伝えたところでは、2人は詐欺やコンピュータ不正利用防止法違反の疑いで逮捕され、年齢は20代だという。ただしZeusの作者ではなく、Zeusパッケージを犯罪目的で利用していたユーザーのようだとSymantecは伝えている。

 ZeusはオンラインバンキングやSNSといったインターネットサービスのログイン情報を盗み出す目的で使われているマルウェア。感染させたコンピュータをボットネットとして制御するツールなどがセットになって、アンダーグラウンドで売買されているという。

 最近では、携帯電話会社のVodafoneやVerizon Wirelessからの残高不足お知らせメールを装って添付ファイルを開かせ、トロイの木馬に感染させる手口にもZeusが使われていたとされる。

Vodafoneをかたったスパム(Sophosより)

 Zeusを使った攻撃は世界各地で横行しているが、Symantecの10月の統計によると、日本は突出して感染件数が多い。しかし逮捕されたのが作者ではないとすると、Zeusがはびこる状況は今後も続くだろうとSymantecは予想。Sophosでは、今回の逮捕をきっかけにZeusの背後にいる犯罪組織の特定につながれば大きな朗報になると期待を寄せている。

10月の国別のZeus感染状況(出展:Symantec資料)

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