仮想デスクトップの導入技術者を養成、シトリックスがサービスを強化

シトリックスは、サービス事業者や一般企業で仮想デスクトップの導入を担当する人材を育成するためのサービスを今秋から導入する。

» 2010年09月14日 17時27分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 シトリックス・システムズ・ジャパンは9月14日、仮想デスクトップの導入技術者を養成することを目的とした2つのサービスメニュー「Academy Program」および「戦略SIパートナー教育プログラム」を今秋から導入すると発表した。併せて資格認定プログラムも拡充する。

 2つのサービスメニューは、一般企業やITサービス事業者が仮想デスクトップ環境を導入する上で、実務を担当する人材の育成を目的にしている。シトリックスや提携パートナーの仮想化製品を利用して、大規模な仮想デスクトップ環境を構築する際に必要となる知識や技術をオンライン上で習得できるようにする。Academy Programは、仮想化技術者を目指す学生向けに11月から提供する。戦略SIパートナー教育プログラムは、同社と提携するシステムサービス企業の技術者向けに今年下期中に提供するとしている。

 資格認定プログラムについては、現在の仮想化環境の運用技術者向けの資格(CCA)と営業担当者向けの資格(CCSP)に加え、大規模な仮想化の運用・保守に詳しい技術者向けの「CCEE」と、アーキテクチャを含めた大規模システムの構築に詳しい技術者向けの「CCIA」を導入する。CCAおよびCCSPの取得者は現在約1300人で、同社はこのうち10%をCCEEに、さらにCCEEの5%をCCIAとしたいとしている。資格認定プログラムは、CTCテクノロジーとネットワールド、ネットワンシステムズが提供する。

資格認定プログラムの構成

 サービス強化の背景について、同社サービス本部長の酒井孝雄氏によれば、仮想デスクトップ環境を部分的にではなく、全社規模を前提として導入を検討する顧客企業の増加があるという。

 同社は、今年2月に仮想デスクトップの導入を支援するコンサルティングサービスを開始した。このサービスは、企業の業務部門の要件を基に仮想デスクトップ環境をどのようなアーキテクチャによって構築していくか、また、全社規模での運用を前提にどのようなシステム要件や製品が必要になるのかといった内容について具体化することを目的にしている。

 サービスの提供開始当初は、全社導入を前提とする案件は半数程度だったが、現在では8割を占めるようになった。仮想デスクトップ環境の導入を一部の部門にとどめるという当初の企業側ニーズが、全社展開を目的にしたものに急速に変わりつつある。

 仮想デスクトップ環境を全社展開する場合、システム要件などが複雑になり。ユーザーごとに使用するアプリケーションやデバイス、ネットワークが異なるため、これらの条件を考慮してインフラを構築しなければならない。

2月から提供している仮想デスクトップの導入支援コンサルティングの概要

 酒井氏は、「まず数十台規模で導入するとしても、最終的には数千台、数万台規模での運用に拡張できるシステムを構築する必要がある。当社製品はこうした変化に対応できる特徴を持っており、技術者養成にも取り組みを広げ、仮想デスクトップの普及を促したい」と話している。

変更履歴……初出時に「CCPA」とありましたが、正しくは「CCSP」です。お詫びして訂正いたします。

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