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» 2011年04月18日 11時30分 UPDATE

バリュープロポジション戦略 50の作法:顧客の立場、ビジネスの立場

私たちは、ビジネスパーソンであると同時に顧客でもある。だから顧客の立場を理解するのは、実は難しくない。それを理解するカギが、バリュープロポジションである。

[永井孝尚,ITmedia]

連載「バリュープロポジション戦略 50の作法」について

 本当の顧客中心主義とは何か?――。連載『バリュープロポジション戦略 50の作法』は、欧米発のバリュープロポジションというフレームワークをベースに、日本が昔から持っていた顧客本位の考え方を見直し、マーケティング戦略を構築・推進するための50の作法をまとめた書籍『バリュープロポジション戦略 50の作法』の一部を加筆・修正し、許可を得て掲載しています。


 顧客としての私たちは、企業に対して「顧客心理を分かっていないなぁ」と思いがちです。商品を見ても「何が良いの? どこが良いの? みな同じでしょ」と考え、では何が欲しいのかと聞かれても「欲しいものは特にない」と思うことが多いのではないでしょうか。

 一方、同じ人間が企業で商品やサービスを提供する立場になると、「お客さんは、きっと分かってくれる」と思いがちです。

 企画段階では「世に出せば、きっと分かる」、販売する段階では「使ってもらえれば、きっと分かる」、苦情を受ければ「使い込めば、きっと分かるのに」、売れずに販売中止になると「実は分かっていない。そのうちきっと分かるはず」、と考えがちです。

 私たちは、顧客として商品を買う時、商品を必要とする理由と、ほかの商品ではなくその商品を選んだ決め手の2点を考えています。

 つまり、『その商品だけが持っていて、ほかにはない、私のニーズに応える価値』それが、その商品を買った理由です。

 これを企業の視点で見ると、『自社だけが持っていて、競合にはない、顧客のニーズに応える価値』となります。これが『バリュープロポジション』です。バリューは価値。プロポジションは訴求。つまり、『価値の訴求』という意味です。

 私たちは商品を買う時はいつも、無意識に商品のバリュープロポジションを考えています。しかし企業側の立場に立つと、バリュープロポジションを忘れてしまいがちなのです。

 日本で1年間に新しく発売される清涼飲料水は、2000種類以上。精鋭のマーケティング担当者が、徹底的に議論を重ねてコンセプトを定義し世に出した商品ばかりですが、生き残るのはごく少数です。

 バリュープロポジションを考えないマーケティングの結果、商品が世の中に受け入れられず失敗するのは、火を見るより明らかです。

※本書に掲載された内容は筆者である永井孝尚個人の見解であり、必ずしも筆者の勤務先であるIBMの立場、戦略、意見を代表するものではありません。

バリュープロポジション戦略 50の作法

バリュープロポジション戦略 50の作法

バリュープロポジション戦略 50の作法

著:永井孝尚

オルタナティブ出版

2011年3月30日

1260円(税込み)

マーケティング戦略を構築・推進するための50の作法を、バリュープロポジションという切り口で、さまざまなマーケティング理論を網羅しつつ、日本の事例を中心にまとめた、マーケティング担当者必読の書。


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