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» 2011年06月08日 10時35分 公開

【ニュース解説】Windows Azureサービス協業:蜜月ぶりが目立った富士通とMicrosoft

Windows Azureを活用したクラウドサービスの提供開始を発表した富士通とMicrosoft。記者会見では両社の蜜月ぶりが目立った。

[松岡功,ITmedia]

戦略的協業に基づく商用サービス開始

 富士通と米Microsoftが6月7日、MicrosoftのPaaSである「Windows Azure platform」を活用したパブリック・クラウドサービス「Fujitsu Global Cloud Platform FGCP/A5 Powered by Windows Azure(以下、FGCP/A5)」を、2011年8月1日より富士通の日本国内のデータセンターから提供開始すると発表した。

 FGCP/A5は、Microsoftが提供する「Windows Azure platform appliance」と、富士通のサーバやストレージなどのハードウェアを組み合わせた富士通ブランドのパブリック・クラウドサービス。2010年7月に両社が合意したWindows Azure platform appliance活用に関する戦略的協業に基づく商用サービスが正式にスタートする格好だ。

 富士通の工藤義一 執行役常務サービスプロダクトビジネスグループ長は同日開いた共同記者会見で、協業の意義として「富士通のデータセンターからWindows Azure platformを活用したクラウドサービスを提供」「富士通とMicrosoftの豊富なシステム構築実績やオペレーション技術、ソフトウェア技術を結集「富士通のグローバルでのビジネス活動をMicrosoftにフィードバックし、サービス競争力をさらに強化」の3点を挙げた。

 ユーザーにとってのFGCP/A5の最大のメリットは、日本国内のデータセンターから提供される唯一のWindows Azure platformであり、クラウドビジネスで実績のある富士通が同サービスを運営することで、パブリッククラウドサービスを安心して利用できることにある。

右から富士通の工藤義一 執行役常務、日本マイクロソフトの樋口泰行社長、米Microsoftのエリック・キッド ジェネラルマネージャー 右から富士通の工藤義一 執行役常務、日本マイクロソフトの樋口泰行社長、米Microsoftのエリック・キッド ジェネラルマネージャー

富士通のサービスが一番乗りに

 同サービスに関するさらに詳しい内容は関連記事等を参照いただくとして、会見で興味深かったのは、日本マイクロソフトの樋口泰行社長の次の発言だ。

 「今回の仕組みによるサービス展開は、昨年7月に米Hewlett-Packard(HP)や米Dellとも同様に協業することを発表したが、富士通より提供されるサービスが一番乗りになった」

 これに対し、記者から「なぜ富士通のサービスが一番乗りになったのか」と質問が飛んだが、今回の会見のために来日したMicrosoftのエリック・キッドWindows Azure platform appliance担当ジェネラルマネージャーは「各パートナーとの協業はそれぞれのペースで進んでおり、状況が整い次第、逐次発表していく」と、直接の理由に対するコメントは避けた。

 富士通のサービスが一番乗りになったことは、おそらく両社ともに戦略的な理由があるだろう。そこに両社のかなりの蜜月ぶりを感じる。

 さらに注目されるのは、今後、富士通のほかに同様のサービスを手がける日本のシステムベンダーが出てくるのかどうかだ。会見後、この点を日本マイクロソフトの広報担当者に聞いたところ、「富士通との協業は国内向けサービスにおいても独占的な契約ではないが、現時点で同様の話を進めているところはない」とのことだった。

 今回の発表で見せた両社の蜜月ぶりは、今後のクラウドサービス市場競争にも少なからず影響を与えることは間違いなさそうだ。

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