モバイル機器に対応したネットワーク作りを――アルバが新製品群を発表

アルバネットワークスは、企業でのスマートフォンやタブレット端末の本格利用に対応できるとした新構想「Aruba MOVE」と、同構想に基づく製品群を発表した。

» 2011年06月22日 14時16分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 アルバネットワークスは6月22日、企業でのモバイル機器の本格利用に対応できることを目指した製品構想「Aruba Move」と、この構想に基づく8種類のハードウェアおよびソフトウェアの新製品を発表した。

 Aruba Moveは、企業ネットワーク上でスマートフォンやタブレット端末によるアプリケーションの利用拡大に対処できるとしたネットワークの新アーキテクチャ。具体的には、ネットワークに接続する機器やユーザー、アプリケーションをネットワーク装置で識別し、ポリシーやセキュリティルールに基づいて接続先の制御といった対処を可能にする。また、データセンターなどでネットワークサービスの一元的な管理ができる仕組みを実現できるとしている。

Aruba Moveのイメージ

 ソリューションマーケティング部長のマナヴ・クーラナ氏は、従業員が業務を効率化する目的で個人所有するスマートフォンやタブレット端末を企業内に持ち込むようになり、音声や映像、データなどを使うアプリケーションの種類が増えているとコメント。従来のネットワークアーキテクチャではこうした実情に対処できず、その結果としてIT部門がモバイル機器の利用を許可しないといったギャップが生じていると指摘した。

 Aruba Moveに基づく新製品として、3×3MIMOによる2.4/5GHz帯対応の無線LANアクセスポイント「Aruba AP-134/135」や屋外利用が可能な「同AP-175シリーズ」、スイッチの「S3500シリーズ」、短時間での無線LAN構築が可能なツール「Aruba Instant」、ユーザー登録ポータルを提供する「Amigopod」、端末の識別などが可能な管理ツール「AierWAVE 7.3」、セキュリティ機能を強化したコントローラ向けOSの最新版「ArubaOS 6.1」、WindowsおよびMac対応クライアント向けVPN接続ツール「Aruba VIA」を発表した。

 これら製品を利用することで、無線/有線LANを統合したネットワークサービスの提供と管理が可能になるという。

 クーラナ氏によれば、例えば従業員が個人で購入したばかりのiPadを企業ネットワークに接続しようとすると、まずネットワーク側でユーザー登録の有無などをチェックする。登録が無い場合は登録のポータルサイトに誘導し、従業員に電子証明書のインストールやプロファイルの登録といった作業をしてもらう。作業が完了すれば、ネットワークへの接続とアプリケーションの利用を許可するという具合である。

ポータルサイトでiPadに登録設定を行うデモ

 またAruba Moveによるネットワークでは、ユーザーや端末、アプリケーションなどの情報(コンテクスト)を基にした効率的な帯域制御などの管理が可能になる。アルバネットワークスは先ごろ、北米の大学で教室内に100台のiPadを設置し、6種類の映像配信アプリケーションを同時に利用するという検証を行った。その結果、アプリケーションが中断したり、配信する映像に極度の遅延や乱れが発生したりすることが全くなかったとしている。

検証環境の概要

 Aruba Moveによるネットワークは、アクセスポイントや無線LANコントローラなどが他社製品であっても構築が可能という。クーラナ氏は「導入企業は必要最低限のコストでモバイル端末に対応した新たなネットワークを実現できるだろう」と述べている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ