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» 2011年11月18日 08時00分 UPDATE

さよならWindows XP:Windows 7移行を失敗したくないアナタのために

長年、Windows XPをクライアントOSとして利用してきた企業にとって、クライアントOSを最新版に入れ替えるのは、苦労が目に見える作業だ。出来る限り手間をかけずに移行する方法を探る。

[敦賀松太郎,ITmedia]

コストと手間、どちらをとるか

 2014年のサポート終了を迎えるWindows XP。クライアントOSの移行先がWindows 7であれ、2012年に登場が予定されている次期バージョンのWindows 8であれ、いずれにせよIT部門が実施しなければならないのが、マイグレーション作業であり、移行に失敗しない移行計画を立案することだ。

 クライアントOSを入れ替えるとき、最も良いタイミングはクライアントPCのリースアップ時だろう。ただ、多くの企業を訪問してみると、想像以上に長期間に渡ってクライアントPCを使い続けているところも少なくない。リースアップ後にリース再契約を行ったり、格安で買い取ってしまったりする企業も意外にあるようだ。経理上の問題云々は置いておいて、使えるのだから使い続けようというわけだ。本連載第1回“OSは“10年前のお古”で良いのか?”で紹介したように、(減価償却を終えたとしても)電力消費量を考慮すると必ずしもコストが割安になるわけではないが、壊れていないものを捨てるのはもったいないという日本人的発想は理解できる。とは言っても、壊れた順に入れ替えていくというのでは、IT部門に大きな負荷がかかるのは明白だ。

 予算が計上できて、段階的にクライアントPCの入れ替えが実施できるようになったとしよう。その際、クライアントPCのあり方をどのようにすべきか、検討の余地がある。

 予算的な余裕があれば、クライアントPC環境を仮想化統合したデスクトップ仮想化という選択肢があるだろう。デスクトップ環境をサーバ上に統合すれば、ハードウェアに関してほぼメンテナンスフリーとなり、OSやソフトウェアへのパッチ適用なども容易になる。Windows XPからWindows 7に入れ替える際に検証が必要なソフトウェアの動作確認も、クライアントPCそれぞれに行う必要がなく、IT部門の負荷は非常に少なくなる。

 しかし、予算的な余裕とまず断りを入れたように、投資コストは決して安価なものではない。ネットワークやサーバの負荷集中を回避するために、綿密な設計も必要だ。事業継続性向上のためにも有効な手段ではあるが、いざ着手するにはIT部門の力だけでは限界もある。

互換性の検証結果が移行の難易度を決める

 予算的に余裕がなければ、クライアントPCを現行の安価な新製品に入れ替えることになる。OSは、プレインストールされているWindows 7を使うことが一般的だ。これまでは、最新OSの「ダウングレード権」を利用してWindows XPを利用することも良しとされたが、寿命が残り僅かなOSを使ったところで、その場しのぎに過ぎない。

 OSを入れ替える際、実施しなければならないのが、業務で利用しているアプリケーションの互換性テストである。旧バージョンのVisual Basicなどで開発されているクライアント/サーバ型アプリケーションはもちろん、Webブラウザで動作するサーバサイドのアプリケーションも正しく動作するかどうかを確認する。Webアプリケーションの場合、Windows XP+Internet Explorer 6で最適化されたASP(Active Server Pages)やプラグインモジュールを利用しているものがあれば、特に慎重な検証が必要になる。Windows 7のInternet Explorer 8では正常に動作しない場合も多々あるからだ。

 運良く互換性テストに合格すればよいが、ダメな場合は対策を講じる必要がある。まずは「互換モード」で再テスト、それでもダメなら前回記事“XP資産を延命する、アプリの「塩漬け」”で紹介したWindows XPモード(Virtual PCによる仮想環境)を使って再テストを実施する。Windows XPモードでも動かないようなら、アプリケーションの改変も必要になるだろう。とにかく、IT部門にとっては、とんでもなく大変な作業になる。

ベンダーの移行支援サービスを利用する

 Windows XPから最新OSへのマイグレーションを実施する必要性を感じていても、自社のIT部門だけでは対応しきれない。そういう企業はベンダーが提供する移行支援サービスを利用してみるのも手だ。

 開発元のマイクロソフトでは、プレミアサポートサービスを契約している企業に対し、Windows 7へ移行するためのさまざまなノウハウを提供している。また、Windows XPで利用していた各ユーザーのデータやシステム環境などを移行するための「ユーザー状態移行ツール(USMT=User State Migration Tool 4.0)」を用意しており、マイグレーションを独自に実施する企業も支援している。

1118winxp_scr.jpg マイクロソフトによるアプリケーション移行の情報提供サイト

 新しいクライアントOSの設計からデータ、アプリケーションの移行まで一貫した移行支援サービスは、各SIerから提供されている。大手SIerはもちろんのこと、中小企業向けのシステム構築を得意とする独立系SIerの多くが移行支援サービスを提供しているので、取引関係にあるベンダーに問い合わせてみるとよいだろう。マイクロソフトとは違ったノウハウを蓄積していたり、より業務視点で対応できたりといった強みもある。

 中でも移行時にトラブルが発生しがちなのは、前述したようにInternet Explorer 6などの旧バージョン向けに開発されたWebアプリケーション、およびVisual Basic 6などの.NET以前の開発環境でプログラミングされたアプリケーションだ。これらを業務に利用している企業は、IT部門の負荷軽減のためにも移行支援サービスの利用が効果的だ。懇意にしているSIerがなければ、Microsoft PinPointなどで、信頼できるSIerを探すことができる。

 なお、マイクロソフトではTechNetやMSDNのサイトを通じて、移行を円滑に実現するための各種ドキュメントも提供している。移行支援サービスや移行ツールに頼るだけでなく、マイグレーションのさまざまな選択肢、テクニック、トラブルシューティングを知るためにも、情報システム担当者はぜひ目を通しておくことをお勧めする。

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