Stratforの顧客リスト流出は誰の仕業? Anonymous名の声明相次ぐ

「米民間情報機関Stratforの情報を流出させたのはAnonymousではない」とするプレスリリースと、「そのリリースを出したのはAnonymousではない」とするプレスリリースが公開された。

» 2011年12月28日 07時49分 公開
[鈴木聖子,ITmedia]

 ハッカー集団Anonymousが米民間情報機関Stratfor Global Intelligenceの顧客情報を暴露したと伝えられた問題をめぐり、「この情報を流出させたのはAnonymousではない」と否定するプレスリリースと、「否定リリースを出したのはAnonymousではない」とするプレスリリースがAnonymousの名で相次いで公開された。

 この問題ではStratforのサイトが12月25日前後に不正アクセスされ、同社の顧客企業や団体名の一覧と、個人情報やクレジットカード番号などの情報を公開したとする声明がAnonymousの名で出されていた。

 ところが25日付で別の「プレスリリース」がAnonymousの名でWebサイトに掲載され、「StratforハッキングはAnonymousの仕業ではない」と主張。「Stratforのアナリストは極めて不偏不党だとの定評がある」と同社の業績を評価したうえで、「Anonymousはメディアソースを攻撃しない。Stratforの活動は報道の自由によって保護されており、Anonymousではこの原則を大いに尊重している」とした。

 これに対し、27日にはさらに別の「プレスリリース」がAnonymousの名で公開された。こちらは「“StratforハッキングはAnonymousの仕業ではない”とする投稿はAnonymousの仕業ではない」との見出しの下、25日付のプレスリリースはStratforの社員がAnonymousの名をかたって出したものだと主張。「Stratforの社員が隠された意図を実行するためAnonymousの名をかたって真実をゆがめた」と批判した。

 さらに「流出したStratforの顧客リストは悪の企業の集団であり、Stratforのアナリストはそのネオコンの体面を保とうとしている」と強調。「“Stratforの分析は極めて不偏不党だとの定評がある”というのは全くのたわごとだ。だからこそStratforの顧客である悪の企業の個人情報やクレジットカード番号を公開した。われわれがそうしないはずがあるだろうか」と述べている。

 この経緯をブログで紹介したセキュリティ企業のF-Secureは、Anonymousの実態が何であれ、「そんなことはもう誰も気にしていないかもしれない」と指摘した。Googleの検索結果を見ても、Anonymousを評価する声はほとんど見当たらなかったという。

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