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» 2012年06月13日 08時00分 UPDATE

全世界で稼働する11万台超の製品をリアルタイム監視 日立建機が築いた情報基盤 (1/2)

建設機械メーカー大手の日立建機は2005年に独自の製品情報管理システムを構築。M2Mなどの技術を活用し、世界中から膨大なデータをリアルタイムで収集している。建機の稼働状況が地図上ですぐに分かる仕組みも作り上げた。

[伏見学,ITmedia]

 「今、パリで稼働中のショベルカーはというと……」。担当者がそうつぶやいた数秒後、スクリーンに映し出されたフランス・パリ市内のマップには、ショベルカーの位置情報を示したピンが散りばめられた。それぞれのポイントをドリルダウンすると、より詳細な製品データや稼働状況が表示された。これは日立建機が開発した製品情報管理システム「Global e-Service」を使って自社の建設機械の稼働データを収集したひとコマである。

製品情報管理システム「Global e-Service」の検索画面 製品情報管理システム「Global e-Service」の検索画面

 日立建機は、日立グループの一員として、建設機械や運搬機械、環境関連製品などの製造、販売、レンタル、アフターサービスを行っている。現在、同社では世界中で販売、レンタルする自社製品にセンサ機器を装着し、リアルタイムにデータを吸い上げて、一元的に状況把握できるシステムを活用する。これが冒頭に述べたGlobal e-Serviceである。インフラの仕組みにはM2M(Machine to Machine)技術を活用する。M2Mとは、人間を介さず機械と機械がIPネットワークによって相互に通信し合う形態を指す。現在、ショベルカーやクレーン、ダンプカーなど全世界で使われている日立建機の製品のうち、11万台、600種類以上がM2Mに対応している。

 2005年に立ち上げたGlobal e-Serviceは、販売した建設機械の稼働状況などをリアルタイムで監視するシステムで、日立建機の社員のほか、各国の販売代理店やエンドユーザーが利用できる。100カ国、20言語に対応し、4万5000社、6万5000人のユーザーがGlobal e-Serviceでデータ収集などを日夜行っている。Global e-Serviceには120万台の製品情報が登録されており、製造年月日から仕様、代理店および顧客情報、製品の移動情報まで、製品に関するあらゆるデータを閲覧できる。これらのデータは自動的に入力、更新される。なぜなら、生産システムや出荷システム、納入システムなど日立建機の事業部ごとの基幹システムがGlobal e-Serviceと連携しているからだ。

世界中でさまざまな建機が稼働中だ(写真提供:日立建機) 世界中でさまざまな建機が稼働中だ(写真提供:日立建機)

 日立建機では、M2Mを活用した管理システムに対する取り組みを2000年ごろに試験的に始めた。当初は自前でシステムを構築していたが、通信ネットワークにかかわる部分は専門的な知識や技術が不可欠で、とても自社で開発、運用していくのは難しいと感じた。また、衛星回線と携帯通信をインフラ基盤としているが、例えば、中東地域では利用が認められていないなど、各国の規制はさまざまで、現地パートナーとの連携を必要と感じていた。そうした中、スウェーデンのM2MサービスプロバイダーであるTelenor Connexionや、ロシアの通信キャリア、Mobile TeleSystemsなどとアライアンスを組んで通信ネットワークを強化していった。

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