1時間で1300万通のメール配信 高速メッセージング技術を日立が開発

日立製作所はインメモリ型KVSを応用したメッセージング技術を発表した。

» 2012年06月18日 15時54分 公開
[ITmedia]

 日立製作所は6月18日、インメモリ型の分散KVS(Key-Value Store)技術を応用した高速メッセージング技術を開発したと発表した。

 KVSとは、従来のデータベースを補完するシンプル構造のデータ保存方式。日立では、大量トラフィック処理を実現するビッグデータ収集および処理基盤のために、KVSを採用したメールシステムを構築する。一般的なKVSと異なりキュー(データ構造の1種。先に入れたデータが先に取り出される)単位の分散処理によって、高速メモリバックアップによる高い配信性能と、同一サーバの分散構成による拡張性を実現する。

日立 横浜研究所 社会インフラネットワーク研究部 研究員の木下雅文氏 日立 横浜研究所 社会インフラネットワーク研究部 研究員の木下雅文氏

 具体的には、メッセージングサーバのソフトウェアとKVSのソフトウェアを同一サーバ内に設置し、メッセージングサーバとKVSの間でキューごとの分散処理、障害関し、障害切り替えを行う連携技術となる。例えば、携帯電話向けメールシステムに適用したところ、メールサーバ1台あたり、1時間に1300万通のメール配信が可能になった。これは同社従来技術のパフォーマンスの4倍にあたるという。

 これまでの課題として、「既存の方式では、キューが格納されているディスク(外部ストレージ)へのアクセスがボトルネックであり、サーバのCPUやメモリと比べて著しく遅かったほか、外部ストレージと接続しているためにサーバの増設が困難だった」と、日立 横浜研究所 社会インフラネットワーク研究部 研究員の木下雅文氏は指摘する。このたび発表した技術を適用することで、外部ストレージが不要となり、インメモリ上でキューの機能を実現できる。

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