MSがパートナー総会、「日本を元気にしていきたい」と樋口社長が呼び掛け

日本マイクロソフトがパートナー向けイベントを開催。同社にとって過去最大級という製品リリースが本格的に始まり、樋口社長は「新しいインパクトを起こしたい」と参加各社に協力を求めた。

» 2012年09月07日 19時04分 公開
[國谷武史,ITmedia]
樋口泰行 代表執行役社長

 日本マイクロソフトは9月7日、ビジネスパートナー向けの年次総会「マイクロソフト ジャパン パートナー コンファレンス 2012」を都内で開催した。基調講演に登壇した樋口泰行代表執行役社長は、「この先1年はマイクロソフトにとって新しい時代。新製品で新しいインパクトを起こしたい」と語った。

 社長就任から4年目を迎える樋口氏は、これまでの経営動向を振り返りつつ、「就任一年目では先進国市場におけるMicrosoftのビジネスで日本が最下位だったものの、昨年、一昨年と2年連続でトップになった。今年はぜひ3連覇を果たしたい」と報告。

 昨年2月に社名を「マイクロソフト」から「日本マイクロソフト」に変更するなど、同氏は「日本市場で日本企業から信頼されるマイクロソフトを目指してきた」という。「当社製品が国内大手企業の基幹システムに広く採用されるようになり、信頼を得られつつあると感じている」と述べ、同社のビジネスがパートナーとの連携をもとに成長につながっていることを強調した。

 同社は今月5日にサーバOSの最新版「Windows Server 2012」のリリースを開始し、10月26日にはクライアントOSの最新版「Windows 8」を一般向けに発売する。このほかにもOffice 2013など、今後一年間は同社における過去最大規模の新製品リリースが続く。樋口氏は、「当社にとっては新時代のスタート。特にWindows 8はブレークスルーを生むことが期待される新しいOSであり、社会に新しいインパクトを起こしたい」と表明した。

 樋口氏によれば、Windows 8はWindows 95以上に「ヤマ場」となる製品だという。このため、広告展開などの製品プロモーションなどに巨額の投資を行うとした。最後に樋口氏は、「これまでにない規模のビジネスチャンスでもある。ぜひ一緒になって盛り上げ、日本を元気にしていきたい」と、ビジネスパートナー各社に協力を求めた。

パートナーとの関係を「深化」させる

 基調講演後のメディアセッションでは7月に執行役 ゼネラルビジネス ゼネラルマネージャーに着任した高橋明宏氏が、パートナービジネスの戦略方針を説明した。

高橋明宏 執行役 ゼネラルビジネス ゼネラルマネージャー

 具体的には、「マイクロソフト パートナー ネットワーク」における「ゴールドコンピテンシー(マイクロソフト製品に関する高度な技術を有するパートナー資格)」のパートナー企業数を全国規模で拡充させる。また、クラウド関連では「Office 365」のオンラインアドバイザーの拡充や、新案件の獲得および商談におけるインセンティブの新設を図る。

 サーバ向け製品ではWindows Server 2012の拡販が柱。同社テクノロジーセンターでの評価検証の支援強化や、Datacenter Editionの販売に対するインセンティブの新設、仮想化の導入支援策などを展開する。「先進国市場の中で日本はまだまだ成長の余地が大きく、サーバ製品の採用を促進させたい」(高橋氏)とのこと。中堅・中小企業顧客に対しては、パートナーと一体で提案からクロージングまでを確実にするための施策を打つとしている

 このほかに、マイクロソフト パートナー ネットワークでは「スモールビジネスコンピテンシー」や「SharePointコンピテンシー」「デバイス&デプロイメントコンピテンシー」「ISV向けコンピテンシー」を導入する。マルチデバイスやクラウドを活用したソリューションの本格展開に向けて、パートナーの技術力向上への取り組みを加速させる考えだ。

 高橋氏は、「これまでの基本戦略を踏襲しつつ、今まで以上に『質』を重視し、パートナーとの関係をさらに密接なものとすることで、ビジネスチャンスを創造していきたい」と話している。

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