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» 2012年10月01日 08時00分 UPDATE

Weekly Memo:オラクルが語るタレントマネジメント

人事業務の最新のトレンドとして「タレントマネジメント」への注目度が高まっている。先週、その有力ベンダーであるオラクルに最新事情を聞いたので、エッセンスを紹介する。

[松岡功,ITmedia]

国内の大企業向け人材管理市場をリードするオラクル

 今回は「タレントマネジメント」について取り上げたい。実は、このテーマについては先日、隔週木曜日に掲載している「松岡功のThink Management」コラムにて、「動き出したタレントマネジメント市場」(2012年8月30日掲載)と題して、この分野が注目される理由や市場動向とともに、筆者なりの見解を述べた。

 その中で、日本でのこの分野のクラウドサービス展開をめぐる有力ベンダーの動きとして、先行するSAPジャパンを日本オラクルや日本IBMが追随する状況だと紹介したところ、日本オラクルから「当社も今年4月からサービスを始めている」との指摘を受けた。事実確認したところ、筆者の認識不足だった。まずはお詫びして訂正したい。

 そこで、せっかく指摘を受けたいい機会なので、オラクルが推進するタレントマネジメントのソリューションとはどのようなものか、さらに日本での先進ユーザーはどのような使い方をしているのか、について取材を申し入れたところ、日本オラクル アプリケーション事業統括本部CRM/HCM事業本部ソリューション部担当ディレクターの浅井三雄氏が応じてくれた。

 まずは浅井氏の話をもとに、この分野におけるオラクルのソリューションを紹介しておこう。オラクルは人事業務を対象としたソリューションとして「Oracle Human Capital Management」(以下、Oracle HCM)を総称に、同社のERPと連携する「E-Business Suite HCM」、人事給与からタレントマネジメントまで幅広くカバーする「PeopleSoft HCM」、今年4月にクラウドサービスを開始したタレントマネジメント製品「Fusion HCM」を提供している。

 日本では2004年からPeopleSoft HCMを皮切りにビジネス展開しており、同社によると、国内の大企業(従業員数1万人以上)向け人材管理市場におけるベンダーシェアでは、Oracle HCMとして3割以上を獲得しているとの調査結果もあるという。

 加えて、米国本社が先頃ユニークなタレントマネジメントをクラウドサービスで提供する米Taleoを買収し、6月から米国で「Oracle Taleo Cloud Service」として展開している。これについては日本でも計画中とのこと。そのユニークな点については後述する。

タレントマネジメントはタレント獲得競争

 国内の大企業向け人材管理市場におけるベンダーシェアを3割以上も握っているとするならば、相当な影響力である。ただ、タレントマネジメントについては、クラウドサービスでの展開も合わせて、市場競争が本格化するのはこれからだ。その意味では、オラクルの今後の動きが競合他社の最も注目するところとなるだろう。

mtok_olrc01.jpg 日本オラクル アプリケーション事業統括本部CRM/HCM事業本部ソリューション部担当ディレクターの浅井三雄氏

 では、タレントマネジメントに対するオラクルの強みは何なのか。浅井氏はこう語る。

 「タレントマネジメントというと、個人のタレント開発や管理に目が行きがちだが、それだけでなく、部門横断で知恵を結集し、人的資源とその知的生産物を融合させ、つまりは最大の投資効果を生み出すといった経営的視点が求められる」

 「その意味では、タレントマネジメントはしっかりとした人事システムの上に構築するのが望ましい。オラクルはそうしたトータルなソリューションにおいて、長年培った実績とノウハウに基づくベストプラクティスを、さまざまな利用状況に対応できる形で蓄積している」

 オラクルにすれば、タレントマネジメントもOracle HCMの1つの機能ということだろう。こうしたスタンスは、オラクルと同じエンタープライズITベンダーであるSAPやIBM、国産ベンダーでは富士通やNECなども同様だろう。

 ここで、せっかくなので、日本での先進ユーザーのタレントマネジメント活用法について聞いてみると、浅井氏はFusion HCMの事例を次のように紹介してくれた。

 「ある会社では、タレントマネジメントのデータベースを活用して、商品開発やプロモーションなどにおいて、部門を越えてそれぞれの分野で高いスキルを持った人材に、容易にアドバイスなどをもらえる仕組みづくりを行っている。これによって、そのものの品質が高まるとともに、知恵を結集してきたプロセスが見えることから、上長もそれを知ったうえで決裁しやすくなる。その会社では、タレントマネジメントが質の高いプロジェクト推進と職制に基づく決裁の迅速化に大きな効果をもたらすと期待している」

 こう聞くと、最近流行りの社内SNSでも同じことができそうに思えるが、自己申告に基づくデータではなく、タレントマネジメントという人事部門が管理するデータベースを活用するところがミソだ。その意味では、そのデータベースそのものの質と活用の仕方が問われるのは当然のことである。

 話をオラクルのソリューションに戻して、最後にTaleoのユニークな点を紹介しておこう。浅井氏によると、Taleoのソリューションは、採用、配置、評価、報酬といった人事のプロセスの中でも、とくに採用の機能に優れているという。

 どう優れているのかといえば、例えば欲しい人材の条件を設定すると、ソーシャルメディアなどを通じて採用に関わる業務を代行し、候補となる人材をピックアップするだけでなく、どのようなアプローチをすればいいかなどもアドバイスしてくれるのだという。まさしく採用業務のエキスパートエンジンが搭載されているイメージだ。しかも人材が入社した後の管理もきめ細かく行えるという。

 浅井氏によると、いま米国でタレントマネジメントというと、つまりはタレント獲得競争を意味するのだとか。Taleoのソリューションは、その最前線で最も使われているそうだ。

 いま、この段階で、ITでそんな簡単に優秀な人材を獲得できるのか、などと野暮なことを言うのは控えて、まずはTaleoのソリューションをこの目で見てみたい。

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