スマホの不正アプリは1年で300倍に――トレンドマイクロ

ユーザーをだます手口も、アダルトやゲームの動画をみせるというものから、バッテリや電波を改善するというものへと巧妙化した。

» 2012年12月21日 14時18分 公開
[ITmedia]

 トレンドマイクロは12月21日、2012年のインターネット脅威レポートの速報版を発表した。不正なモバイルアプリの増加や日本に特化した脅威の出現、サイバー犯罪の高度化などが注目された。

 Androidの不正アプリは、2010年8月に初めて確認され、2012年11月には31万4000個まで増加。この1年で300倍近く急増したという。ユーザーに不正アプリを使わせる手口でも、2012年前半ではゲームやアダルトの動画再生プレーヤーになりすますものが出現したが、後半には電波やバッテリの状況を改善すると称するアプリが登場。配布サイトで偽の口コミ情報を掲載するなど、だましのテクニックが巧妙化している。

Android端末に感染する不正アプリ数 2011年12月〜2012年11月の累計(出典:トレンドマイクロ)

 日本を狙うセキュリティ脅威では日本語のフィッシングサイトが多数出現し、「遠隔操作ウイルス」や日本語のプログラミング開発言語で作成されたマルウェアも見つかった。企業や組織にしつこく攻撃を続ける脅威(持続的標的型攻撃)ではサイバー攻撃者グループが複数の企業や組織に対して識別可能なコードで対象を管理し、継続的に攻撃を行う動きが複数確認されたという。

 同社は、サイバー犯罪を取り締まる法令が強化されたことで、犯罪抑止力の高まりが期待されるものの、サイバー犯罪者は十分に整備されていない地域に拠点を移すだろうと予想している。

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