マイクロソフトがシステム管理製品群を強化、Hyper-Vのシェアも拡大

「System Center 2012 SP1」とクラウド型の「Windows Intune」の新機能などを新たにリリースした。

» 2013年01月21日 15時06分 公開
[ITmedia]

 日本マイクロソフトは1月21日、システム管理製品に関する記者説明会を開催し、「Microsoft System Center 2012 Service Pack 1(SP1)」と、クラウド型クライアント管理サービス「Windows Intune」の新バージョンの提供を開始したと発表した。

 System Center 2012 SP1は、仮想化されたシステムを管理するための機能を強化したという。例えば、仮想化環境を構築・管理するためのSystem Centerの「Virtual Machine Manager」ではWindows Server 2012に搭載されているHyper-Vの仮想スイッチ機能などを活用して、新規に構築する仮想マシンのネットワーク構成の設定を自動化できるようにしている。

Virtual Machine ManagerではSDN(Software Defined Network)技術も取り入れている

 また、構築した仮想マシンの死活監視といった運用管理業務プロセスの自動化、プライベートクラウドやWindows Azureサービスなどのサービスの提供状況を視覚的に把握できる機能を新たに提供。データ保護の「Data Protection Manager」ではWindows Azureサービスと連携したオンラインバックアップ/リカバリが強化されており、Visual Studioなど開発ツールとの連携ではSystem Centerを介して事前に設定したテスト環境を容易な操作でクラウド環境に展開できるようにしたという。

 Window Intuneではモバイルデバイス管理の機能を強化。Windows 8やRTへの対応も図った。Windows 8向けにWindow Intuneのアプリも用意され、企業で独自開発した業務アプリケーションのインストール作業などがWindowsストアを介さずに行えるようになっている。

Window Intuneと連携するWindows 8アプリ

仮想化基盤でHyper-Vの採用広がる

梅田氏

 説明会では業務執行役員 サーバープラットフォームビジネス本部長の梅田成二氏が、システム基盤製品の事業動向にも触れ、2012年秋に出荷を開始したWindows Server 2012の出足が好調だと説明した。

 同氏によるとWindows Server 2012は、出荷から4カ月間でWindows Server 2008 R2に比べて、導入数が21%、Hyper-V対応アプリケーションが24%、パートナー企業のエンジニア数が41%それぞれ多いとし、評価版のダウンロード件数は約4倍という。また米IDCの調査レポートを引用して、2012年にハイパーバイザ市場でのHyper-VのシェアがVMwareとほぼ並ぶまでになったと述べた。

 こうした要因について梅田氏は、「これまでのユーザーはVMwareさんで仮想化基盤を統一するという動きだったが、当社がWindows Server 2012で仮想化対応を強化したことで、用途別に仮想化基盤を選択するようになり、すみ分けが進んでいる」と説明。ここ数年のシステム管理製品の市場規模は横ばいか、微減傾向にあるというものの、「System Centerが強みとする仮想化やクラウド向けでは年率50%で拡大しており、今後も普及を図っていきたい」(梅田氏)としている。

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