プロセスの自動化支援機能に注目、MSがSystem Center 2012を説明

日本マイクロソフトが、上半期の出荷を予定する「System Center 2012」の製品概要を紹介した。

» 2012年02月20日 19時29分 公開
[ITmedia]

 日本マイクロソフトは2月20日、システム管理製品群の次期バージョン「Microsoft System Center 2012」に関するメディア向け説明会を開催した。同製品群は2012年上半期中の出荷開始を予定し、現在、製品候補(RC)版の提供が行われている。

 System Center 2012は、8つの製品で構成される製品スイートとして提供される。サーバ用ライセンスは、1台の物理サーバ上で4台以下の仮想サーバを運用する環境向けの「System Center 2012 Standard」、仮想サーバの稼働台数が無制限の「System Center 2012 Datacenter」の2種類。これに必要に応じて追加する3種類のクライアント管理用ライセンス「System Center 2012 Configuration Manager」「System Center 2012 Endpoint Protection」「System Center 2012 Client Management Suite」がある。

System Center 2012を構成する製品

 デベロッパー&プラットフォーム統括本部 パートナー&クラウド推進本部エバンジェリストの高添修氏によると、System Center 2012ではプロセスの自動化によってプライベートクラウド環境の運用を最適化することに主眼が置かれているという。

 例えば、事業部門もしくは業務担当者が専用のクラウド環境を構築したいといった場合、従来ならIT部門に申請を行う。そして、IT部門が申請者の希望する設定などを行った仮想サーバを構築して提供する。仮想サーバの構築後に稼働状態の監視といった運用管理プロセスが取られるが、仮想サーバの安定稼働に支障が出た場合など対応が煩雑になるなどの課題が存在している。

 System Center 2012では、まず仮想マシンの安定稼働を維持するために必要な環境や管理などの条件から、運用管理のプロセスを自動化する。これに基づいてサービスカタログが作成される。事業部門や業務担当者がサービスカタログから自身が必要とする環境を構築して利用する。IT部門は、サービス品質を確保したプライベートクラウド環境をセルフサービスとして社内ユーザーに提供できるのが特徴だ。

 運用管理のプロセスを自動化は「Runbook Automation」とも呼ばれる。System Center 2012ではマルチベンダーに対応したOrchestratorという製品で、異なるベンダーの製品やサービスを跨いだ自動化プロセスを設計できるようになっている。

System Center 2012 Orchestratorの自動化プロセスの設計

 このほか、System Center 2012 Configuration Managerでは企業導入が広がりつつあるモバイル端末の運用管理機能(MDM機能)が強化される。端末の紛失・盗難時に管理者が遠隔操作で端末をロックしたり、データを消去したりといったことが可能になる。System Center 2012 Endpoint Protectionは、企業向けウイルス対策製品「Forefront」をSystem Center 2012に統合したものとなる。

 業務執行役員 サーバープラットフォームビジネス本部長の梅田成二氏は、「System Centerは当社のIT基盤製品とクラウドサービスをつなぐ技術やノウハウをベースに開発した。クラウド時代に適した運用管理ツールとして注目してほしい」と述べた。

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