JAXA、ウイルス感染被害の調査結果を発表 原因は「震災」のなりすましメール

昨年11月にJAXAの端末がコンピュータウイルスに感染した問題で、同機構は「仮に情報漏えいがあったとしても、事業の円滑な遂行には支障がない」としている。

» 2013年02月19日 14時34分 公開
[ITmedia]

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2月19日、昨年11月に判明したコンピュータウイルス感染に関する調査結果を発表した。ロケット関連の情報が外部に漏えいした可能性があるものの、「事業の円滑な遂行には支障がない」(広報部)と話している。

 感染被害は昨年11月30日に明らかにしたもの。同機構の職員の端末がウイルスに感染し、ロケットの仕様や運用などに関わる情報が外部に漏えいした可能性があるとしていた。

 その後の調査で感染した端末は1台のみと判明。職員が日常業務に使用していたもので、端末には上述のデータが保存されていたが、全てのファイルを詳細に調べたところ、事業に支障が無いと判断した。「大半は内部情報だが、通常の事務作業などに利用するもの」(同)という。端末に保存されていた以外の情報が、この端末を経由して漏えいした可能性は極めて低いとしている。

 ウイルス感染は、2011年3月15日に送付されたなりすましメールが原因だとした。このメールは、差出人が「地震速報」となっており、フリーのメールアドレスから送信されたという。内容は、東日本大震災での支援金の支給を案内するものだった。感染した端末と外部サーバとの通信は同年3月17日から昨年11月21日まで行われていた。通信量や通信内容は不明という。

ウイルス感染被害の調査結果

 JAXAは再発防止に向けて、「情報システムの抜本的な見直し、情報セキュリティに関する運用ルールの充実および職員教育の徹底などを行う」と説明。なお、JAXAでは昨年1月にもウイルス感染被害が発生したが、今回の事象との関連性は無いとみている。

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