今、私たちの置かれた現実を整理すると次の7つを挙げることができるだろう。
また、こういう状況になっている一方で、セキュリティ上問題の多いスマートフォン系のコンテンツが世界中に爆発的な勢いで普及しつつある。方やPCは、どうみても「昔のコンテンツ」になってしまった。中高年は認めたくないが、認めざるを得ない現実がそこまで来ている。今後、PCは(1)昔の486系のチップセットを懐かしむ「昭和のオタク」、(2)グラフィックボードやチップセットの能力を非現実的なレベルまで向上させたり、HDDやSSDの収容能力を10テラバイトや100テラバイトにしたがる(そのうちに1ペタバイトを個人所有する人も出てくる)「スペック派」、(3)キーボードが取り外せるなどPCという骨格を隠したスマホやタブレットに似た製品を選ぶ「ビジネス重視派」(でもモバイル系OSは嫌という人)――の3つになる。
だが悲しいことに、PCは「安楽死」を望んでいる。10年後にはまだ世の中に存在しているだろうが、20年後には存在しない。正確に言えば、モバイル系やPC系といった区切りが意味をなさない。ネット世界もここ数年で様変わりしていく。それは人類にとって一見バラ色に映るかもしれないが、新たなリスクを背負うことにほとんど気が付いていないのである
今後もさまざまなセキュリティ対策が講じられるだろうが、根本的な問題は多分解決されないと思われる。これではあまりに悲観的なので、次回は筆者が実践している対策を踏まえて、近未来への期待を描いてみたい。
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日本セキュリティ・マネジメント学会常任理事、「先端技術・情報犯罪とセキュリティ研究会」主査。社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会技術顧問、CFE 公認不正検査士。旧通産省の情報処理技術者試験の最難関である「特種」に最年少(当時)で合格。2008年6月まで三菱東京UFJ銀行に勤務、実験室「テクノ巣」の責任者を務める。
組織内部犯罪やネット犯罪、コンプライアンス、情報セキュリティ、クラウド、スマホ、BYODなどをテーマに講演、執筆、コンサルティングと幅広く活躍中。「個人情報はこうして盗まれる」(KK ベストセラーズ)や「デジタル・フォレンジック辞典」(日科技連出版)など著書多数。
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