東洋大学が仮想デスクトップ環境を導入、端末はゼロクライアント導入事例

キャンパス内で使用しているPCをゼロクライアント端末に置き換え、保守の簡略化とログインの高速化を実現した。

» 2013年09月25日 16時28分 公開
[ITmedia]

 東洋大学がキャンパス内のPC教室と図書館で使用しているPCをゼロクライアント端末に置き換え、820台の仮想デスクトップ環境を導入した。これを手掛けた伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)が9月25日に発表した。

 東洋大学のPC教室は、授業ごとに学生が一斉にログインとログオフを行うことから、実際に利用できるまで最大15分程度を要していたという。PC教室の利用率は高く、端末に障害が発生した場合に、保守対応の時間が取りにくいこと、台数が多く、パッチ適用やアプリケーション更新などの管理者負担も大きな課題だった。そこで、CTCが提案していたという仮想デスクトップ方式によるゼロクライアント端末を採用した。

 東洋大学の仮想デスクトップ環境には、シスコシステムズ、ヴイエムウェア、EMCジャパン各社の製品を採用し、統合サーバ基盤、統合仮想基盤、統合ストレージ基盤の3つの統合基盤でサーバとクライアント環境を集約して運用管理を一元化した。システム全体の可視化を実現している。仮想化環境に適したセキュリティ対策としてトレンドマイクロ製品を採用し、ウイルス検索によってサーバやストレージに負荷が集中し、性能が低下する問題を回避し、高速化を実現している。

 併せてPCを利用できるまでの処理時間の短縮すべく、CTCでは機器の最適なサイジングを行い、高速チューニング手法を組み合わせ、ドメインへのログインから利用開始までに要する時間を短縮した。OSやディスクのないゼロクライアント端末を使用することで障害発生の頻度が減り、障害発生時も予備機と交換するだけで継続して利用できるようになった。システム更新時もサーバ上のマスターイメージの更新と配信だけでよく、端末ごとの作業が無くなり、管理者の負担を軽減したとしている。

 この仮想デスクトップ環境は、2013年度から本格的に稼働している、仮想化基盤の運用ではCTCのITインフラマネジメントサービス「RePlavail」も利用する。東洋大学では今回の導入経験を生かし、複数のキャンパスに分かれて利用されている事務用PCもゼロクライアントの仮想デスクトップ環境に移行することを検討している。

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