世間から必要とされない“ガラパゴス社員”になっていないか?(3/3 ページ)

» 2013年11月20日 08時00分 公開
[中山マコト,ITmedia]
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アドバンス社員しか生き残れない時代!

 アドバンス社員とは、ガラパゴスにいながらも、それを自覚し、常に外界との交流を忘れず、世の中=社会の変化に敏感な存在。社会とのバランスに長けた存在だ。

 アドバンス社員とガラパゴス社員の決定的な違いは、自在性だ。著者はこれを”自在力”と呼んでいる。要は、“自分の都合で動かず、相手の実情に合わせた、魅力あふれる発想ができるチカラ”だ。

 世の中は常に変化している。IT技術の進歩だけではなく、グローバルでの外圧、世相、世代観。何より経済情勢。まさに変化の日めくりカレンダーだ。そんな大きな、しかも高速で動く社会の中にあっては、その変化に合わせた柔軟な自在力を駆使するアドバンス型しか生き抜いていけない。

 会社はあくまでも社会と個人をつなぐ結節点の役目でしかない。会社を通して常に社会を意識していなければ、あっと言う間に乗り遅れ、ガラパゴス社員化してしまう。昨日までの常識を今日の非常識だと見極められる知識と、情報量の深さ、情報を入手するチャネルの広がりを持ち、問題解決力に優れた人物。それがアドバンス社員だ。筆者の周辺で、大きな実績と評価を得ているフリーランスの多くは独立前からこの自在力を持っているし、数少ない精鋭と組んだプロジェクトを立ち上げる場合、優先して選ぶのはこのアドバンス型の人材だけだ。そうでなければ、結局、依頼主からプロジェクトの評価を得られないからだ。

会社にいる今こそ、問題解決力を磨け!

 アドバンス社員の最大の特徴は、問題解決のための知識、新しいモノや価値を生むアイデアの広がりを持っていることで、型にはまった発想を拒否する生き方だ。そして、それを助けてくれる人脈や場のネットワークを持っている。これらの価値はどんな企業にとっても垂涎の的だ。

 情報があるから人脈が生まれ、人脈があるから解決策が生まれる。この、情報とつながりのチカラは、結果、自分を高く売ることに直結する。世の中の企業はすべて、何らかの問題を抱えている。問題のない企業などないと言って良い。つまり、問題解決力を持っていることは、どこからも引く手あまたな状態になる。だからこそ、いち早く外界とつながり、問題解決力を養っておくべきなのだ。いざとなってからでは遅い。会社が給料を支払ってくれ、仕事という名の、人と出会う機会を与えてくれている間に、こうした価値ある人間になっておくべきなのだ。

 次回は、具体的にアドバンス社員になるためのポイントを解説するとともに、リストラが始まっても影響を受けない、いや、それどころか「残ってくれ!」とすら言われてしまう、そんな社員になれる仕事術について紹介する。

著者プロフィール

中山マコト

プロフェッショナルフリーランス育成プロデューサー兼「フリーランスの学校」校長

これまで25年にわたって、マーケティング、広告制作、コピーライティング、商品のネーミング考案、販売促進、集客を手掛ける。「自分以外の人のコトバ・発想から、売れるための材料を手に入れ、それを企画・コピーに落とし込んでいく」ノウハウを“キキダス・マーケティング”と名付け、2001年、「キキダス・マーケティング」を設立し、同時にフリーランスとなる。以来、小売業・飲食業・サービス業の強化・立て直しに圧倒的な実績を誇る。

現在は“プロフェッショナルフリーランス”として活動。マーケティングリサーチの世界から、販促・コピーライティングの世界に身を投じ、「どうやるか」のテクニックではなく、「何をやるか」に徹底的にこだわるスタイルのコピー・販促企画を連発。コピーライティング手法や文章術と合わせ、「売らない営業術」「失敗しない独立起業術」「人脈論」など、独自視点で多くの成功企業、成功店、成功者を生み出すサポートを続けており、主宰する「フリーランスの学校」の生徒は500人を誇る。

これまで多数の著作を執筆。主なものに『「バカ売れ」キャッチコピーが面白いほど書ける本』『フリーで働くあなたを成功に導く101のルール』(以上、中経出版)、『フリーで働く! と決めたら読む本』『フリーで働く前に! 読む本』(以上、日本経済新聞出版社)、『40歳からの「捨てる!」人脈術』(学習研究社)


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