低成長の国内IT市場で生き残り競争が激化、IDCが2014年を予想

IDCが2014年の国内IT市場で注目される10大項目を発表。クラウド、モバイル、ビッグデータ、ソーシャルに代表される「第3のプラットフォーム」を巡る競争が本格化するという。

» 2013年12月18日 18時41分 公開
[ITmedia]

 IDC Japanは12月18日、2014年の国内IT市場において鍵となる技術や市場トレンド、ベンダーの動きなどの主要10項目を発表した。市場の見込めない中で、「第3のプラットフォーム」を巡る競争が激しさを増すと予想している。

 同社によると、2013年の国内IT市場(ハードウェア、ソフトウェア、ITサービスの合計)は約14兆円に達し、前年比約2%の成長が見込まれるという。2014年は、ほぼ横ばいになると予測。しかし、クラウドサービスやモビリティ、ビッグデータ、ソーシャル技術の4つの主要技術から構成される「第3のプラットフォーム」における成長率は7.4%になるとし、2014年はICT企業にとって、この動きの覇者となるか、生き残りをかけて協業戦略を選択するのかという試練の年になるという。

 リサーチバイスプレジデントの中村智明氏は、「脱落すれば事業基盤そのものを失いかねない激しい競争環境にITベンダーが晒される。エンドユーザーを巻き込んだイノベーションによる事業拡大の原動力は、社内ではなく社外の開発コミュニティにあり、第3のプラットフォーム上の開発者だ。開発コミュニティからの高い支持の獲得を最優先課題とすべきだ」と述べている。

 同社が2014年に予測する10大項目は以下の通り。

  1. 国内ICT市場は第3のプラットフォームが牽引する成長領域と、それ以外の縮小領域が鮮明となる
  2. 事業成長を求めて第3のプラットフォーム内で高付加価値化へのシフトが起きる
  3. モビリティ市場でサービスアカウントの拡大と、業種特化型ソリューションが成長機会になる
  4. 多様なクラウドの融合が進み、ベンダー間の競合状況は新しい局面を迎える
  5. ビッグデータのユーザーの裾野が広がる反面、ベンダーの専門性や投資対効果に対するユーザー評価が厳しさを増す
  6. Software-Defined Infrastructureの多種多様なエコシステムが形成され、成長する
  7. 事業者データセンターはハイブリッドクラウドへと向かう
  8. セキュリティ基盤が組み込まれたクラウドソリューションの本格的な活用が始まる
  9. ソーシャル技術のマーケティング利用がクラウド上で始まり、エコシステムを形成し始める
  10. Internet of Things/Machine to Machineが第3のプラットフォームを成長させ、関連事業者の主導権争いが本格化する

 2014年の世界のIT市場においても同社は、「第3のプラットフォーム」が市場に大きなインパクトをもたらすだろうと予想している。

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