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» 2014年10月22日 08時00分 UPDATE

マイナンバー・企業の対応と注意点:民間企業における「マイナンバー」対応の具体的な内容と注意点(後編) (1/3)

2015年10月から「番号制度(マイナンバー)」が始まります。最終回となる今回は、一般的な民間企業における「個人番号を取り扱う対象事務の運用整理」について解説します。

[日立コンサルティング,ITmedia]

 前回示した民間企業における番号利用開始(2016年1月)までの5つの対応事項(下記参照)のうち、前回は「番号制度対応の準備」と「個人番号を取り扱う対象事務の明確化」について説明しました。今回は3〜5について解説します。

  1. 番号制度対応の準備(番号制度の理解、体制整備等)
  2. 個人番号を取り扱う対象事務の明確化
  3. 個人番号を取り扱う対象事務の運用整理(個人番号の適正な取扱いルール等)
  4. 個人番号を取り扱う対象事務に係るシステムの改修
  5. 個人番号を取り扱う従業員に対する研修、周知

個人番号を取り扱う対象事務の運用整理(個人番号の適正な取扱いルール等)

 前述の「2.個人番号を取り扱う対象事務の明確化」における事務について、具体的に民間企業でどのような処理を行うのか、そのために現行の業務運用のどのように変更するのかなどを整理することが必要になります。ここで最も大きな影響があると想定されるのは、従業員等の個人番号を取得・管理することに伴って、特定個人情報の適正な取扱いが求められる点です。

 以下、2014年9月に公表されたガイドライン素案に基づいて、上記3〜5における運用上のポイントと考えられる事項を整理します。

1.個人番号取得時の「利用目的の明示」

 番号法に特段の規定がない限り、個人番号を含む特定個人情報も個人情報の一部なので、原則として個人情報保護法が適用されます。したがって、個人番号を取得する際には、個人情報保護法第18条※1の規定に基づいて、対象者本人に利用目的を通知、又は公表することが必要となります。

※1:個人情報取扱事業者は、個人情報を取得した場合は、あらかじめその利用目的を公表している場合を除き、速やかに、その利用目的を、本人に通知し、または公表しなければならない。

 また、個人情報保護法第16条※2の規定に基づいて、ある特定の目的で取得した個人番号は、その目的でのみ利用可能であり、同じ民間企業内で行う事務であっても、その他の事務で利用することはできません。

 ここで注意すべきポイントは、個人情報保護法ではあらかじめ「本人の同意」を得ることによって当初の目的を超えた利用が認められますが、特定個人情報については認められていない点です。なぜなら、番号法は個人情報保護法等に対して上書きするような形で特別法として制定されており、その中で特定個人情報については、番号法別表第一あるいは地方公共団体の条例で定めた事務以外へ利用することを禁止しているからです。

※2:個人情報取扱事業者は、あらかじめ本人の同意を得ないで、前条の規定により特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えて、個人情報を取り扱ってはならない。

「給与所得の源泉徴収票作成」という目的のみ通知して個人番号を収集した場合

「給与所得の源泉徴収票作成のため」という目的を通知して取得した個人番号

→その他の事務(健康保険等の資格取得届の作成)のためには利用不可(あらかじめ本人の同意を得たとしても不可)

→その他事務で個人番号を利用するためには、別途利用目的を通知又は公表したうえで個人番号を取得する必要がある


 前述2に示したとおり、民間企業は複数の事務で個人番号を取り扱うことになることを踏まえると、初めから個人番号を取得する複数の利用目的をまとめて従業員等に通知または公表しておくことが望ましいでしょう。なお、従業員等への具体的な通知・公表方法として、ガイドライン素案では、「社内LANでの通知」「就業規則への明記」等が例示されています。

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