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» 2015年01月01日 08時00分 UPDATE

2015年 新春インタビュー特集:「3年計画」の総決算、世界基準のサービス作りに着手――NEC・遠藤社長

事業のブランドメッセージや「7つの社会価値創造テーマ」を発表するなど、2014年のNECは新たな方針や施策を次々と打ち出していた印象だ。こうした施策の効果はどのような形で表れたか。そして中期経営計画の最終年となる2015年のポイントは――。NECの遠藤信博社長に聞いた。

[池田憲弘,ITmedia]
photo NEC 代表取締役執行役員社長 遠藤信博氏

――2014年はNECにとって、どのような年でしたか?

遠藤社長: NECは2013年に3カ年の「2015中期経営計画」を発表しました。そこで発表したのは「社会ソリューション事業への注力」「アジアへの注力、現地主導型ビジネスの推進」「安定的な財務基盤の構築」の3つです。1年目となる2013年は、社会ソリューション事業を加速するための組織変更に着手したり、シンガポールに「グローバルセーフティ事業部(GSD)」を設置するなど、計画を実現するための準備を整えました。

 2年目にあたる2014年は、計画に基づいた“実績”を出す年でした。例えば、当社が得意とする顔認証技術をベースとしたセーフティソリューションを開発し、GSDを通してグローバルで展開できたことも大きなトピックですね。アルゼンチン ティグレ市の街中映像監視システム、インドのホテルグループの顔認証ソリューションといった導入実績を作ることができました。

 当社はこのセーフティ事業以外にも、ビッグデータ、SDN、サイバーセキュリティといった注力事業を設定しています。ビッグデータ事業では中国電力に原子力発電所の「故障予兆監視システム」というソリューションを提供しました。

 これはプラントに設置した3000〜4000個のセンサーから、温度や圧力、振動といったデータを収集し、異なるセンサー同士の関連性を見ることで、故障に至る前に異常を検知できます。このようにビッグデータならではの価値を、お客様に提供できるようになったというのは大きな成果です。

 SDN事業も、テレコム事業者向けに実証実験を始める準備を進めているほか、企業やデータセンター向けの導入事例も増えており、現在では200社ぐらいに提供しています。これが事業の核へと育ち始めていて、名古屋市立大学病院や東日本旅客鉄道(JR東日本)、最近では沖縄県西原町にも導入されました。

 今後、自治体のシステムには、マイナンバー対応への新たなネットワークも必要となります。ネットワークが複雑になるなかで、SDNを導入して簡単に制御できるようになることは、大きな価値になるでしょう。このように、実績を出すという点においては、注力事業を中心に成果が見え始めました。収益や利益といった業績についても改善の傾向にあります。

――2014年は社会ソリューション事業のブランドメッセージや7つの社会価値創造テーマを発表するなど、事業の方向性を定めた印象がありますが、会社として大きな方針転換があるのでしょうか?

遠藤社長: それはないですね。リアルタイム性を支える“コンピューティングパワー“、、リモート性を支える“ブロードバンドネットワーク”、そしてダイナミック性を支える“ITソリューション構築力、ソフトウェア力”、この3つをNECが提供していく点は変わりません。

 われわれは「リアルタイム性」「ダイナミック性」「リモート性」という3つの特長を組み合わせ、「安全」「安心」「効率」「公平」という4つの価値を作り上げていきます。そして、豊かな社会の実現に貢献していくのです。

 11月に発表した「7つの社会価値創造テーマ」は、社会情勢に合わせて安全、安心、効率、公平という価値をどう生み出し、社会に貢献していくかという方法を明確にしたものになります。常にわれわれがこのテーマを遂行できているかをチェックするとともに、貢献できる領域を明確にすることによって、社員が自主的に力を発揮できるようにするために策定したものです。

 そして、この7つのテーマに合わせて、事業を成長させていくのが2015年のミッションになります。

photo

――それでは、2015年の展望を教えてください。

遠藤社長: 中期経営計画でも、2015年は2014年の実績を踏まえ、ベクトルを上に向けて大きな「成長」を実現する年としています。

 2015年は当社のサービスを国内だけではなく海外にどう広げていくか、という点が重要になるでしょう。今のところ海外事業の割合は20%ぐらいですが、この比率をもっと高めていかなければならない。グローバルでも競争力を持った良いソリューションをどうやって提供するのか、という点をまさに今話し合っているところです。

 具体的には中華圏、APAC、EMEA(Europe, the Middle East and Africa)、北米および南米の5カ所にある海外の地域統括会社とビジネスユニットが定期的に会議を行っています。内容は、われわれの持つ価値をどのようにお客様の価値に変換するか、2015年以降の成長のためにどのようなビジネスモデルを作ればいいか、というテーマを下期から検討しています。

 多くのIT系ベンダーの場合、お客様の課題に合わせてカスタマイズした1つのソリューションを提供しています。そのため、お客様に合わせてソリューションは変わります。しかし、これと同じ手法を海外で展開しようとするとリソースがいくらあっても足りません。

 となれば、地域統括会社とビジネスユニットが一緒に検討していく中で共通のニーズを見つけ、多くのお客様が価値を享受できる新たなビジネスモデルを作り上げなければならない。それが成長、ひいては世界に対してより大きな貢献をするためのキーとなります。例えばヨーロッパとアフリカではインフラレベルに大きな違いがある。そういう地域ごとの違いがある中でも、共通的にNECのソリューションを提供する仕組みを作り上げ、大きな貢献をしていきたいと考えています。

 今は、この仕組み作りに多くの時間を使っています。これは今まで弊社がやったことのない取り組みですし、並大抵の努力ではできません。社員が一番苦しんでいるポイントかもしれませんね。しかし、それができて初めて、本当にグローバルで競争力を持った会社になれるのだと思っています。

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