米情報機関、ソニー攻撃以前から北朝鮮を監視か

報道によると、米国家安全保障局は韓国の北朝鮮監視プログラムを利用して北朝鮮に関する情報を収集。北朝鮮のハッカーが使っているコンピュータやネットワークにマルウェアを仕込んでいたという。

» 2015年01月20日 07時37分 公開
[鈴木聖子,ITmedia]

 ソニー・ピクチャーズエンタテインメント(SPE)がサイバー攻撃を受ける以前から、米国家安全保障局(NSA)が韓国などを経由して北朝鮮のネットワークに侵入し、監視を続けていたことが分かったと、メディア各社が伝えている。米政府はこの情報に基づいて、SPE攻撃に北朝鮮が関与したと断定するに至ったという。

 ドイツのSpiegel誌は、NSAの仕事を請け負っていたエドワード・スノーデン氏から入手したとする米国家安全保障局(NSA)の内部文書を公開した。

 この文書には、北朝鮮の脅威に対して警戒を強めていたNSAが、韓国の北朝鮮監視プログラムを利用して北朝鮮に関する情報を収集していた経緯についての証言が記されている。

 米紙New York Timesはさらに、元米政府当局者やコンピュータ専門家の話として、NSAは北朝鮮のハッカーが使っているコンピュータやネットワークを監視するためのマルウェアを仕込んでいたと伝えた。

 こうした手段で収集した情報をもとに、米政府はSPEに対するサイバー攻撃に北朝鮮が関与したと断定し、制裁措置を打ち出したという。米政府がサイバー攻撃について他国を名指しで非難するのは極めて異例。ただ、SPEに対する攻撃を事前に察知することまではできなかったとみられる。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ