特集「Office 365」〜基礎知識&導入検討指南〜

今さら聞けない「Office 365」、基本と機能をおさらい特集「Office 365」(1/2 ページ)

大企業はもとより、中堅中小企業にも「Office 365」の導入が進んできている。情シスが望む、従業員のための業務効率の向上、自らの課題となるコストメリットを両立して解決できるからだ。Office 365は情シスにとって、企業にとって、どんなメリットをもたらすのか。改めて「その基本」を理解し、自社の業務改革への糸口をつかもう。

» 2015年03月04日 09時00分 公開

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 「Office 365」の企業導入が進んでいる。日本でも個人向け向けのクラウドサービス Office 365 Soloの提供が昨年2014年10月にはじまり、一般業務部門のビジネスパーソンに対する認知度の高まりとともに、Office 365の本格普及が始まった印象を受ける。

photo クラウド版グループウェアサービス「Office 365」

 これと呼応するように、2014年12月より日本国内におけるOffice 365のサービスは、国内データセンターから提供する形となり、これからOffice 365の導入を考える、でもクラウドはなんだか不安と課題を持っていた企業の情シス担当にとっても、とてもよい契機になるはずだ。

 改めてOffice 365は、企業の情シスにとって、企業そのものにとって、どんなメリットがあり、そして業務改善の指針となりえるのか。今回より複数回に渡り、特に中堅企業の導入検討を想定した「その基本」を紹介していく。

なぜ、いま「Office 365」なのか?

 Office 365とは、改めて何か。業務効率を向上させるための統合業務ツール群で、これをクラウド上(やデスクトップ)でまとめて利用できるサービスだ。これまで、WordやExcel、PowerPointなど、オフィス業務に必要なソフトウェアをまとめたMicrosoft Officeを“オフィススイート”と呼んでいたと思う。Microsoft Office以外に、クラウド共有や保存、SNS連携、Web会議やモバイルワーク対応といったツールも追加した“イマドキのオフィススイート”と考えるのはいかがだろう。

 Microsoftの解説ページには「クラウド版グループウェアサービス」とも説明されている。これがOffice 365の製品としての性格をよく表している。基本機能としては次の5つが含まれている。

  • Exchange Online
  • SharePoint Online
  • Lync Online
  • Yammer
  • Microsoft Office(Office 365 Business/ProPlus)

 ExchangeはMicrosoftが提供する電子メールサービスで、アドレス帳や予定表などのツールも包含される。

 SharePointは企業のチーム内でファイルを共有したり、共通のダッシュボードが用意されたりと、社内で情報を共有する空間を提供する機能がまとめてある。

 Lyncはチームのメンバー同士がインスタントメッセージ(IM)や音声/ビデオ会議で直接やり取りしたり、相手の在籍確認を可能とするものだ。Yammerは社内公開向けのSNSとして、Lyncよりもやや疎な状態で情報共有や拡散を行うツールである。

photo Office 365は、業務効率の向上を図るツール群を包括した「オールインワン」のクラウドサービス

 最後にOffice 365 Business/ProPlusは、みなさんがご存じのWord、Excel、PowerPointといった、いわゆるMicrosoft Officeの最新版ソフトウェアを利用できる“仕組み”である。これまでのパッケージを購入したり、ライセンス数単位で購入していたものに対し、ライセンス(アカウント)とそのツール群の利用権を月単位/年単位で契約する方法で提供される。このような契約手段を「サブスクリプション契約」と呼ぶ。

 Office 365のサブスクリプションが有効な間であれば、いつでも最新のOfficeをインストールでき、1アカウントあたり最大5台のデバイスまで導入できる。さらにこれとは別に、タブレットとスマートフォンへもそれぞれ最大5台分までスマートデバイス用のアプリを導入できるようになっている。

 なぜこうなっているのか。昨今、1人のユーザーが複数のデバイスを適時使い分けることが珍しくなくなっている。Office 365 Business/ProPlusはそうした使い方を後押しする考え方で設計され、提供されるものだからだ。ライセンス版のMicrosoft Officeとは、この考え方が大きく違う部分だろう。ファイルを保存する場所は、クラウドストレージのOneDrive for Businessに集約。こうすることで、どんなデバイスを使ったとしても常に最新のファイルを参照して業務を進行できるというわけだ。

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