Windows 10ではIEとSpartanの2つのWebブラウザが搭載される。ただしIEに関しては、現行のIE 11からバージョンアップしていくのかは明らかにされていない。
Microsoftは2014年にIEのサポートサイクルを変更し、各OSで動作する最新バージョンのみをサポートするようになった。今後サポートされるのはIE 9、IE 10、IE 11の3つのバージョンだ。これらのバージョンのIEに対しては、今後もセキュリティパッチがリリースされるが、IE 8以前にはセキュリティパッチが提供されなくなった。
OSのサポート期限をみると、Windows Vistaは2012年4月10日にメインストリームサポートが終了しており、延長サポートが2017年4月11日に終了する。Windows Server 2012はメインストリームサポートが2015年1月13日に切れ、延長サポートは2020年1月14日までだ。IE 11を搭載するWindows 8/8.1は、メインストリームサポートが2018年1月9日まで、延長サポートが2023年1月10日までとなる。もしかしたらIEは、2023年1月10日にはサポートが全て終了することになるだろう。参考までに各OSでサポートされているIEのバージョンを以下に示す。
OS | IEのバージョン |
---|---|
Windows Vista SP2 | IE 9 |
Windows 7 SP1 | IE 11 |
Windows 8/8.1 | IE 11 |
Windows Server 2008 SP2 | IE 9 |
Windows Server 2008 R2 SP2 | IE 11 |
Windows Server 2012 | IE 10 |
Windows Server 2012 R2 | IE 11 |
少なくともWindows 10ではIEとSpartanが存在するので、企業ユーザーはSpartanへすぐに移行しなければならないわけではない。しかし、2023年までというスパンで見れば、企業は今後7年以内にSpartanへ移行しなければならないといえる。企業ユーザーはWindows 10のリリース後、徐々にSpartanをデフォルトブラウザにする作業を始めた方がいいだろう。
なお、Webサイトの表示に対する懸念には、SpartanではEdge HTML、MSHTMの2つのレンダリングエンジンを搭載するので、IEとの互換性を確保した形でWebサイトを表示できる。
ただ、上述したようにSpartanではActiveXプラグインやBrowser Helper Objectsを利用できず、これらのプラグインを使うWebサイトを表示するには、Windows 10でもIEが必要だ。こういったカスタムプラグインを企業内で利用している場合、徐々にSpartanで利用可能なプラグインを開発していくことになるが、できればプラグイン不要のWebサイトに構成を変えていくなどの対応を図るべきだろう。
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