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» 2015年05月28日 10時00分 UPDATE

単なるスマホ決済では終わらない、FinTech企業「Square」本当の狙い (1/3)

スマホをクレジットカードの決済端末に変えるカードリーダーを無料で配布する「Square」。彼らが目指すビジネスゴールは既存の金融機関を脅かすかもしれない。

[ITmedia]
Square ポケットに入れて持ち歩けるクレジットカードリーダーは2世代目でICカードにも対応(出典:Square)

 今、決済分野に新しい波が来ている。米国ではApple Payに注目が集まり、ネット決済の老舗たるPayPalもeBayから独立し、再びNASDAQに上場する。とかく、金融(Finance)とIT(Technology)を組み合わせた造語「FinTech」を称するベンチャーが元気だ。

 Twitterの共同創業者ジャック・ドーシー(Jack Dorsey)氏が2009年に創業したSquareも代表的なFinTech企業の1つ。日本では、スマホを使ったクレジットカード決済サービスとして認知されているが、彼らのビジネスはそれだけにとどまらない。「Make Commerce Easy(商業活動をかんたんに)」――米SquareのCFO、サラ・フライアー(Sarah Friar)氏に同社の戦略を聞いた。

訪日外国人が最もカードを使った県は?

 Squareは、スマホやタブレットのイヤホンジャックに差して使う数センチ四方の小さなクレジットカードリーダーとPOSレジアプリを無料で提供している。1決済ごとに決済額の3.25%を手数料として徴収する(VisaやMasterCard、American Expressに対応)が、これが既存の決済手数料よりも安く、最短で翌営業日に入金されることもあいまって導入事業者を増やす一因となっている。

 Squareが日本に進出したのは2013年5月。約2年間で加盟店数は10万店を超えた。その中にはブルーボトルコーヒーのような米国生まれの人気カフェもあれば、ユニクロのような大手小売チェーンも含まれる。ユニクロが同サービスを導入したのは2013年10月とかなり早い段階で、その狙いは繁忙期のレジ待ち時間の緩和だった。スタッフが持つ商品説明用のiPadがそのままPOSレジとなり、その場でクレジットカード決済できるというわけだ。

 導入にかかる初期費用がほとんどかからないこともあって、これまでクレジットカード決済に対応できなかったような小さなショップでも採用が進んでいる。例えば、京都の清水寺のそばにある茶道体験教室「茶道体験カメリア」では、外国人向けに英語でのサービスも提供している。彼らは現金よりもクレジットカード決済を好むということもありSquareの導入に踏み切った。

 Squareを使った外国人によるカード決済件数(対象期間は2014年1月〜2015年4月、日本国外発行のクレジットカード利用件数を調べた)をみると興味深い点に気付く。地域別では北海道虻田郡、東京都新宿区、沖縄県中頭郡と続く。「訪日外国人によるクレジットカード利用は首都圏だけでなく全国に広がっています」(フライアー氏)

外国人によるカード決済件数 外国人によるカード決済件数(出典:Square)
外国人による1回当たりのカード決済金額 外国人による1回当たりのカード決済金額(出典:Square)

 北海道虻田郡と書くとピンとこないが、ニセコといえば納得感がある。沖縄県中頭郡には読谷村があるし、6位に入った長野県北安曇郡には白馬村がある。いずれも外国人に人気の観光地だ。これら観光地では、Squareによる全決済の約9割が外国人利用者によるものとなっている。

 「ニセコでのSquare利用件数は東京・六本木のそれを上回ります。どうしたら地方の観光地にクレジットカード対応を受け入れてもらえるのか。今、Squareでは啓蒙活動にも力を入れています。例えば、長野県と協力して野沢温泉村に20以上の加盟店を増やすことができました。各店舗のビジネスだけでなく、村全体の経済活動が大きくなっています」(フライアー氏)

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