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» 2015年12月26日 00時00分 UPDATE

NECの新野新社長が挑む、成長への“3つの課題”

NECが社長および会長人事を発表。安定成長を目指す従来路線を継承することを重視し、副社長の新野氏が昇格する形となった。新野氏は次の中期経営計画で“縦割り”体制の解消や注力事業の絞り込み、そして事業のグローバル化に注力すると語った。

[池田憲弘,ITmedia]

 既報の通り、NECは12月25日、2016年4月1日付で現代表取締役 執行役員社長の遠藤信博氏が代表取締役 会長に、代表取締役 執行役員副社長の新野隆氏が代表取締役 執行役員社長 兼 CEOに就任すると発表した。

 同日行われた記者会見では、現社長の遠藤氏と新社長の新野氏が登壇。社長交代の理由や新野氏への期待などが語られた。

photo 記者会見に登壇した、現社長の遠藤氏と新社長の新野氏

 新社長の新野氏は1954年生まれの61歳。現社長の遠藤氏(62歳)とは1歳違いで、いわゆる“世代交代”といった印象はない。遠藤氏は今回社長の交代に至った理由について、「次期中期経営計画へスムーズに引き継ぎを行うことに重点を置いた」と話した。

 新野氏は2012年から副社長として、チーフストラテジーオフィサー(最高戦略責任者=CSO)を兼任しており、遠藤氏の右腕として、現中期経営計画(2013年度〜2015年度)の策定に深く関わった人物だ。「2016年度以降の中期経営計画を実行する責任者を示し、社内外にアピールする」(遠藤氏)ため、このタイミングでの発表になったという。

遠藤社長、6年間の評価は“60点ぐらい”

photo 2010年から6年間社長を務めた遠藤氏は、成長路線の遂行を新社長の新野氏に期待しているという

 遠藤氏は2010年4月に社長に就任し、6年間で2度の中期経営計画を遂行してきた。「就任当初はNECグループ全体で経営課題が多々あった」と振り返る通り、厳しい経営状態からV字回復を目指す「V2012」を策定。PCや半導体、携帯電話事業の改革や組織改革を実行した。

 2013年度からの「2015中期経営計画」では、社会ソリューション事業への注力を打ち出し、ブランドメッセージの構築や7つの社会価値創造テーマを発表するなど、事業の方向性を定めた。課題となっていた収益についても、大きく改善している。

 遠藤氏は“社長をまだ続けてもよかった”と述べつつも、「海外での認知度や事業展開など、まだ力を発揮しきれていない部分はあり、やり残したこともあると思っているが、企業として最も大切なのは事業を継続させていくこと。価値創造をし続ける力、社員が集まれる場所を作り続ける力、これを継続するためには、適任者がいるうちに引き継ぐことをトップ自らが示す必要がある。社長が代わったら何も引き継がれないのではよくない」と交代の必要性を強調した。

 この6年間における自身の評価を問われると“60点ぐらい”と答えた遠藤氏。成長戦略を遂行するオペレーションの部分、そして海外事業の発展といった“やり残し”を新野氏に託す形だ。「次の中期経営計画でリーダーとなるにふさわしい。能力的にバランスが取れていて、人望もある」と太鼓判を押す。

注力分野を明確にし、グローバル化の課題に立ち向かう

photo 社長を受け継ぐ新野氏は、金融向けソリューションの営業出身。自分よりも若い人間が社長になると思っていたこともあり、指名を受けたときは驚いたと話す

 バトンを受ける新野氏は自らの役割として「次期中期経営計画の実行」と「文化の継承と創造」という2つの項目を挙げた。

 新野氏は、次期中期経営計画では全社をあげて、新たな柱となる分野を絞り込むこと、そして縦割り体制を打破する「One NEC」をさらに進める施策がポイントになると話す。「これまでもOne NECを掲げてきたが、まだまだ部分最適で動いているプロセスがある。NECマネジメントパートナーという会社を核にして、全社で改革を進めていく」(新野氏)

 改革を進めつつも、NECの良い文化は継承していきたいと新野氏は考えている。特に同社の「面の経営」にはこだわりがあるようだ。「これだけの規模の会社を1人で指揮するのは難しい。NECは優秀な人間がたくさんにいるので、その英知を集めて進めるといい。現在、NECグループは17人でトップのマネジメントを行っているが、それぞれが社長と同じ目線で考え、全員が腹落ちする形で進むべき方向性を合わせている」(新野氏)

 多くの人間の力を合わせて物事に当たる文化を継承しつつも、グローバルで戦える企業文化を作っていく――。これが新野氏が目指すNECの姿だ。「われわれはいい技術を持っていると思うが、それをグローバルで価値創造へとつなげていくような文化はあまりない。このソリューションが世の中にどんな影響を与えるか、そのためのビジネスモデルは、といった課題を社員一人一人が考えるような文化を作りたい」と新野氏は強調する。

 同社の2015年9月期の海外売上高比率は22.8%。2016年3月期を最終年度とする「2015中期経営計画」では23%を計画している。新野氏は「今はまだグローバル比率は20数パーセントだが、2020年や2022年には30%や40%を狙えるようなポジションになっていないと。あと3カ月は現在の中計をまっとうし、次の新しい中計に向けて全力でがんばっていきたい」と意気込みを述べた。

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