Microsoft、人工知能ボット作成フレームワークを公開

Microsoftが年次開発者会議「Build 2016」で、アプリの人工知能ボットを開発するためのフレームワークやランタイムを発表した。Skypeで動くボットのプレビュー版も公開した。

» 2016年03月31日 08時19分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 米Microsoftは3月30日(現地時間)、年次開発者会議「Build 2016」において、アプリで稼働する人工知能(AI)搭載ボットを開発できる「Microsoft Bot Framework」と、パーソナルアシスタントCortanaの機能をボットに組み込むためのMicrosoft Azureのランタイム「Cortana Intelligence Suite」を発表した。Bot Frameworkはプレビュー版を無償で利用できる。

 bot 1

 開発者はこのフレームワークで、アプリのチャットボットを作成し、SkypeやLINE、Slackなどでユーザーと会話させることができる。

 bot 2 SkypeやLINEでボットを提供できる

 Microsoftは同日、Skypeのボット(プレビュー版)を一般ユーザーでも利用できるようにしたことも発表した。日本語にはまだ対応していないが、Windows、Android、iOS版Skypeで利用できる。新着ニュースを発信する「Bing News」や音楽情報を知らせる「Bing Music」などを呼び出せる。

 bot 3

 こうしたSkypeボットを作るためのプラットフォーム「Skype Bots Platform」もSkypeの開発者向けポータルで公開された。

 Buildの基調講演では、Skypeチャット上で稼働するDomino's Pizzaのボットを使ってピザを注文するデモが行われた。ユーザーが正確にピザの種類、枚数、届け先を入力せずに、スラングを使ったりした場合は、そのデータを機械学習機能で学習させることでボットを成長させることができる。また、ボットが注文を理解できない場合はすぐに人間にバトンタッチする。

 bot 4 Domino's Pizzaのボット

 サティヤ・ナデラCEOは基調講演で、自然言語による会話(conversation)こそが次のプラットフォームだと語り「Conversations As A Platform」というビジョンを打ち出した。同氏はTwitterで公開し、現在休眠中の人工知能ボットTayの問題についても触れ、ボットを新しいアプリケーションの形として推進していくと語った。

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