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» 2016年10月03日 11時00分 UPDATE

即席!3分で分かるITトレンド:コレ1枚で分かる「特化型人工知能と汎用型人工知能」

一部では人間を超える実力を見せ始めた人工知能ですが、その進化の方向性を整理してみると、「特化型人工知能」と「汎用型人工知能」に分けられます。

[斎藤昌義(ネットコマース株式会社),ITmedia]

この連載は

 カップめんを待つ間に、電車の待ち時間に、歯磨きしている間に“いまさら聞けない”ITトレンドが分かっちゃう! 今さら聞けないITの最新トレンドやビジネス戦略を、体系的に整理して分かりやすく解説する連載です。「この用語、案外、分かっているようで分かっていないかも」「IT用語を現場の社員にもっと分かりやすく説明できるようになりたい」――。情シスの皆さんのこんな課題を解決します。


汎用型人工知能へのハードルは高い!?

 人工知能の進化には、ここ数年目を見張るものがあります。例えば、画像認識では、画像の中に何が写っているかを識別する能力は、既に人間の能力を超える成果が示されています。その技術を使って、CTやレントゲンの映像から病巣を見つけ出す、あるいは防犯カメラに写った来店客の挙動から窃盗の可能性を察知する、などの実用例も登場しています。

 また、音声認識では、異なる言語同士の対話をリアルタイムで翻訳するサービスが登場しました。さらに、対話応答の分野では、AmazonのEchoやAppleのSiriのように自然な言葉で語りかけるだけでエアコンを操作する、オンラインで買い物をする、好きな音楽を再生するなどのことができるようになっています。

 このように、人工知能は特定の知的作業領域において既に人間の能力をしのぐほどの実力を示しています。

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 しかし、その成果は、ここに示したような特定の知的作業を専門にこなす「特化型人工知能」です。人間のように1つの脳で画像認識や音声認識、対話応答ができ、それらを組み合わせた高度な知的作業をこなせる能力はありません。また、人間の脳には自分が何ものかという「自己理解」、自分が何をしているのかが分かる「意識」、興味を持ち自らの行動を選択する「意欲」などがあるわけですが、そのような能力はまだ人工知能で実現できていません。

 例えば、Googleの人工知能「Alpha Go」が囲碁の世界チャンピオンに勝ちましたが、Alpha Go自身が、その勝利を励みとして自らの能力を他の分野でも生かしていこうと意欲を持ち、自らに課題を課して能力を広げ、磨いていこうという「意志」は持ちません。

 Alpha Goは、囲碁という分野では人間を超える能力を発揮した「特化型人工知能」ですが、だからといって人間の脳の機能を全て代替できるわけではないのです。

 ただ、人間の脳全体の仕組みを解明し、同様の機能を持つ「汎用型人工知能」を実現しようという取り組みも進んでいます。将来的には、意志を持ち、自ら課題を発見し、自律的に能力を高めていく人工知能が登場するかもしれません。

 しかし今の段階では、まだまだハードルが高いのも現実といえるでしょう。

Photo 【図解】コレ1枚で分かる「特化型人工知能と汎用型人工知能」

著者プロフィル:斎藤昌義

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 日本IBMで営業として大手電気・電子製造業の顧客を担当。1995年に日本IBMを退職し、次代のITビジネス開発と人材育成を支援するネットコマースを設立。代表取締役に就任し、現在に至る。詳しいプロフィルはこちら。最新テクノロジーやビジネスの動向をまとめたプレゼンテーションデータをロイヤルティーフリーで提供する「ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA」はこちら


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