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» 2016年10月17日 10時30分 UPDATE

即席!3分で分かるITトレンド:コレ1枚で分かる「ルールベースと機械学習」

人工知能研究における「推論」のアプローチには2つの方法、「ルールベース」と「機械学習」があります。それぞれの特徴と実用性を整理しておきましょう。

[斎藤昌義(ネットコマース株式会社),ITmedia]

この連載は

 カップめんを待つ間に、電車の待ち時間に、歯磨きしている間に“いまさら聞けない”ITトレンドが分かっちゃう! 今さら聞けないITの最新トレンドやビジネス戦略を、体系的に整理して分かりやすく解説する連載です。「この用語、案外、分かっているようで分かっていないかも」「IT用語を現場の社員にもっと分かりやすく説明できるようになりたい」――。情シスの皆さんのこんな課題を解決します。


 人工知能研究の歴史をたどると、「ルールベース」と「機械学習」という大きな2つのアプローチがあったことが分かります。

ルールベース

 オンラインショップで「こちらの商品もいかがですか?」と表示されることがあります。これは、「レコメンデーション(推奨)」機能と呼ばれています。

 この機能は、オンラインショップの担当者が「Aという商品とBという商品は関連があるから、Aを買った人は、Bも買う確率が高い」と考え、「Aを検索した人にBを勧める」というルールをあらかじめ登録しておくことで実現できます。このようなルールをたくさん用意しておけば、いろいろな商品に対して別の商品をレコメンドできるようになります。このようなアプローチが「ルールベース」です。

 レコメンデーションに限らず、問題解決に必要な知識を「どのような条件が成り立つとき何をすべきか」という観点で整理しておくと、さまざまな問題解決に対応させることができます。

if 条件 then アクションまたは状態 else 別のアクションまたは状態 ・・・


 モノやコトを解釈し、説明するためのこのようなルールを用意しておくことで、問題解決や推論といった知的な処理を機械に行わせようというのです。

 ただ、知識は常に増え続けますし解釈の仕方も多様です。これを全て人間がルールに起こして記述することは容易なことではありません。結局は、このアプローチは、ある機械についての故障診断、ある保険の契約ルールの確認といった、説明すべきルールが限られている場合では実用化されましたが、「知的な処理」を実現するための汎用的な方法としては実用化されることはありませんでした。

機械学習

Photo

 「ルールベース」では、ルールを人が登録します。しかし、「Aを買う人はBも買う確率が高い」というのは、担当者の思い込みかもしれません。実はCを買う人の割合のほうが、もっと高いかも知れません。そこで、このルールをデータを解析することで見つけ出そうというのが「機械学習」の考え方です。

 例えば、オンラインショップの過去の取引データを解析して、AとBを一緒に買った人の割合とAとCを一緒に買った人の割合を比較し、割合の高い方を推奨すれば、レコメンデーションの効果も上がります。このような関係や規則性を、データを分析し、そこに潜むルールやパターンによって見つけ出そうというのです。

 このやり方は、レコメンデーション以外にも使われています。例えば機械翻訳の場合、日英仏の同じ文書を機械に読み込ませ、「私はあなたを愛しています」「I love you.」「Je t'aime.」が同時に出てくる確率が統計的に高いことを割り出し、これらは同じ意味と考えてもいいだろうと解釈する手法です。本当に意味を解釈しているとはいえませんが、実用性は高く、論文試験の評価、医療における診断、訴訟文書の分析などさまざまな分野で実用化されています。

Photo 【図解】コレ1枚で分かる「ルールベースと機械学習」

著者プロフィル:斎藤昌義

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 日本IBMで営業として大手電気・電子製造業の顧客を担当。1995年に日本IBMを退職し、次代のITビジネス開発と人材育成を支援するネットコマースを設立。代表取締役に就任し、現在に至る。詳しいプロフィルはこちら。最新テクノロジーやビジネスの動向をまとめたプレゼンテーションデータをロイヤルティーフリーで提供する「ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA」はこちら


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