ニュース
» 2016年11月25日 08時30分 UPDATE

仮想化&ストレージの基礎と最前線:「ハイパーコンバージドインフラ」って何ですか?

仮想化業界で注目を集めている「ハイパーコンバージドインフラ」の特徴を整理します。あわせて、要素技術である「Software-Defined Storage」も紹介します。

[羽鳥正明,ITmedia]

この記事は羽鳥正明氏のブログ「仮想化&ストレージの基礎と最前線」より転載、編集しています。


 今回は、仮想化業界ではやりの「ハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI:Hyper-Converged Infrastructure)」について説明します(それにしても、この長いネーミングはどうにかした方がいいと思うのですが……)。

 HCIは、コンバージドインフラの小型版。2Uというサイズにコンパクト化され、場所を取らずに、2Uサイズで50から100台以上の仮想マシンに対応できます。統合サーバとして高いスケーラビリティを持っています。

新しいITインフラ、製品としてサポートを受け導入が可能

 技術的には、共有ストレージアレイを使用せず、各サーバのローカルストレージを使います。サーバ、ネットワーク、ストレージなどがパッケージ化されているので、製品としてサポートを受けることができ、ITソリューションとして企業が導入しやすいサポートも付いています。

 中小企業でも導入しやすく、さまざまなビジネスツールとして利用できる環境が整っています。サーバが必要かどうかはしばしば議論に上がることかもしれませんが、企業の今後を考えると、やはり必要になるでしょう。また、仮想化ソフトウェアや管理ツールなどもパッケージ化されているので、新しいITインフラといえます。2Uサイズで約4台以上のサーバが内蔵されています。

サーバの小型化にも貢献

Photo

 サーバの低価格化、高性能化とともに生まれたのがHCIです。仮想ワークスペースで、スマホやPCではなく、管理サーバにデータを残しておくことが可能になりました。場所を選ばずにどこでも仕事ができるスペースを提供しています。もちろん企業としては、最新のサーバを導入することによって、システムの合理化や、処理スピードなど効率を上げることがメリットにつながります。サーバシステムの導入は、企業にとっては必要不可欠です。

 1台でサーバ4台によるクラスタ構成となっています。代表的な製品としてVMware EVO(VMware)があり、その他RAIL(EMC、HP、ネットワンシステムズなど)も含まれます。HP ConvergedSystem 200-HC(HP)、VCE VxRack System(VCE)、Nutanix Virtual Computing Platform(Dell、Nutanix)などで、高い効率性や拡張性が期待されています。

 インフラストラクチャ、アプライアンスソリューションなので、高度にシステムを統合し、またビジネスニーズを満たすアプリケーションはデスクトップの仮想化も可能なので、PC内部にデータを保管しなくても、全て外部のシステムで管理から保存までを行うことができます。そのため、作業中のPCに重荷が掛からず、作業スピードを上げ、PCやスマホも快適に利用できるようになります。

欧州でも高い関心

 HCIに関心を示しているのは、欧州も同じです。理由としては、サーバの数が少ないためです。欧州では、大企業が米国に比べると少ないのが現状で、そのため、運営サーバ数が少なく、システム規模もかなり小さめなことが指摘できます。

 最大のメリットは、機能面が優れていて高速処理が可能なHCIが、わずか数Uというスペースで場所を取らずに導入可能なところ。欧米同様、日本でも、電子機器メーカー以外の企業の多くは、サーバルームを自社で完備していません。そのため外部のデータセンターで機能をレンタルし、サーバにお金を支払っているのが現状です。

既存システムのコスト削減や管理の合理化

 5台、10台、20台とサーバを増やしても、省スペースであることから、多くの日本企業が仮想化を進めています。レンタルサーバのみでも業務に支障はないので企業内サーバは必要ないという企業も多く、ITを利用したIT革命ではなく、どちらかというと、既存システムのコスト削減のためや、管理をより楽にしたり合理化したりするために仮想化を進めたいと考えているようです。また、よりコンパクトで収容可能で合理的な方が好まれています。

ストレージがないのも特徴

Photo

 ストレージがないので、そのまま内蔵ディスクに格納することになります。HCIには、ダイレクトにファイバーチャネルやiSCSI・NFSを用いて接続可能な共有ストレージは存在せず、仮想マシンデータとして各サーバの内蔵ディスクに格納するタイプとなっています。一般的な流れでは「クラスタが組めない」と思われがちですが、そのためサーバ上でストレージを作るといったシステムになっています。ではこの3点に注目してもらいたいと思います。

 サーバ、ストレージ、仮想化の3つのバックグラウンドがありますが、HCIは新たなITインフラなので、これを全て統一します。HCIが統合サーバの新改革になることは確実です。イメージ的には、サーバとストレージを統合することが可能な新しい形態のシステムインフラで、機能的に魅力は十分にあります。

 既に米国のネット関係の企業でHCIは大きな注目を集めています。小型でシンプルなので、好まれるわけです。Software-Defined Storage技術の革新によって、さらにネットを利用したビジネスの促進に有効になることはいうまでもありません。

著者プロフィル:羽鳥正明

外資系ITベンダーを渡り歩き、PC、サーバ、ストレージのマーケティングを20年以上間担当。現在はティントリのマーケティング。詳しいプロフィールはこちら


Copyright© 2017 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ピックアップコンテンツ

- PR -

注目のテーマ