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» 2016年11月28日 12時00分 UPDATE

Weekly Memo:日本でデータサイエンティストが育たない理由 (1/2)

IoTなどがもたらすビッグデータから新たな知見を引き出す「データサイエンティスト」。統計学の第一人者はその人材像として「逆Π(パイ)型」が求められるという。どういうことか。

[松岡功,ITmedia]

滋賀大学とPwCあらたがデータサイエンス分野で産学連携

 国立大学法人滋賀大学とPwCあらた有限責任監査法人が11月25日、データサイエンス分野で共同研究を開始すると発表した。滋賀大学が2017年4月に新設する「データサイエンス学部」を拠点に、実践的な教育プログラムの開発やビジネス面での本格的なデータサイエンス活用について双方の知見や経験を持ち寄り、産学連携で教育・研究に取り組むとしている。

Photo 滋賀大学データサイエンス学部長に就任予定の竹村彰通氏(右)とPwCあらた代表執行役の木村浩一郎氏

 滋賀大学が新設するデータサイエンス学部は、データサイエンティストの育成を目的とした日本初の大学の専門学部として誕生する。学部長には、元日本統計学会会長で前東京大学大学院情報理工学系研究科教授の竹村彰通氏が就任する予定で、来春に第一期生(募集定員100人)を迎え入れる体制整備を急ピッチで進めているという。

 会見に臨んだ竹村氏は、「さまざまな分野でデータ分析力が求められる中、より実践的なプログラムを学生に提供すべく、学外との連携にも注力する」と説明。今回のPwCあらたとの連携もその一環となる。

 一方、PwCあらた代表執行役の木村浩一郎氏も、「大学によるデータサイエンティスト育成のモデルケースになるだけに、私どもとしても会計監査において培った知見をもとに、共同でさまざまな研究を行っていきたい」との意気込みを語った。

 共同研究のテーマとしては、「企業会計実務データを用いた演習教材の開発」「ビジネス分野でのデータサイエンスの応用」「会計監査におけるAI(人工知能)の活用」などを掲げている。

 この会見で非常に印象深かったのは、日本の統計学の第一人者である竹村氏が語ったデータサイエンティスト育成に向けた強い思いだ。まず言葉の定義を明確にしておくと、同氏はデータサイエンスを「客観的な存在としてのビッグデータを対象として、そこから新たな知見を引き出し、価値を創造するための科学」とし、そのノウハウを持つ人材をデータサイエンティストと呼んでいる。

 では、データサイエンティストに必要な専門知識とスキルとは何か。同氏は、大規模データの「分析・解析」と「加工・処理」を挙げ、前者が「統計学」、後者が「コンピュータ科学」だとし、この2つを基本として新たな知見を引き出し、価値を創造できることが求められると説明した。

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