これまでストレージの容量管理は、システム管理担当者にとっては非常に大きなストレスとしてのしかかってきていました。それは、ストレージの追加導入が時間的にも費用的にも大きな負担となる上、そもそもスケジュール調整自体が難しいからで、企業が収集管理するデータは近年飛躍的にその領域とボリュームが激増していることもあり、そのデータの増加ペースを事前段階で正確に予測することはほぼ不可能に近くなっているのです。
こうしたことを解決させるため、ここ数年で大手のメーカーが続々とスケールアウト型の市場に参入するようになり、スケールアウト型ストレージへの移行が急激に進みつつあるのが現状です。
ユーザーから見れば、必要なときに必要な容量を随時追加することができますから、初期導入時に将来の利用を見込んで大容量のドライブを先行投資で購入することもなくなり、適宜必要に応じた投資ができる点は、最大のメリットとなっています。容量が増えてもパフォーマンスが低下しないことも、このシステム導入の安心材料となっています。
パブリッククラウドなどのマーケットでは、後々から増設が可能となるスケールアウト型のストレージの利用が進んでいます。いつでも簡単に利用が可能になるパブリッククラウドでは、使い始めてからデータ容量が増えて増設を余儀なくされるユーザーがほとんどとなりますが、このような仕組みを持つストレージシステムであれば、サーバを止めることもなく、必要に応じて随時増設が可能となりますので、まさにパブリッククラウドの要件を満たすシステムであり、今やほとんどのクラウド事業者がこの仕組みを導入するようになっているのです。
ビジネスの成長に伴ってそのシステムを拡張していく場合には、容量だけではなく、性能の拡張も必要となる重要事項です。クラウドでは、スケールアウト型ストレージの性能面での拡張性を活用することにより、最初は最低限の要件を満たす小規模な構成、つまりスモールスタートから始めて、ビジネスが軌道に乗ってリソースの拡張が必要になったら、それに合わせてシステムを拡張していくというアプローチを取ることができるようになり、よりクラウドの利便性を高めることに大きく寄与しているといえるのです。
なお、ティントリのスケールアウトは、ブロック単位ではなく、VM単位で行う業界唯一の「VMスケールアウト」です。最大で32ノードを疎結合して最大10ペタバイトのオールフラッシュ プールを運用することができます。
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