音で異変を察知 介護老人ホーム、IoT活用で夜間の運営コストを削減へ

介護付き老人ホームを運営するわたぼうしの家が、富士通の「居住者の見守りソリューション」を導入。富士通によれば、夜間の施設運営コストの大幅削減が見込めるという。

» 2017年09月15日 14時00分 公開
[金澤雅子ITmedia]

 音で異変を察知し、介護老人ホームの見守り業務を効率化――。富士通は9月14日、介護施設を運営するNPO法人わたぼうしの家に、音響センシングを活用して居住者を24時間365日見守る「FUJITSU IoT Solution UBIQUITOUSWARE 居住者の見守りソリューション」を導入すると発表した。10月からサービスを開始する。

Photo 「居住者の見守りソリューション」の構成イメージ

 音響センサーや温湿度センサー、人感センサーを搭載した専用装置「リモートケアベース」を居室内に設置し、センシングした生活音や温湿度などを独自のアルゴリズムで解析することで居住者の状況を把握する。会話の録音やカメラ撮影などを伴わないため、プライバシーに配慮しながら居住者の見守りを実現できるという。

 異常を検知すると、看護師が24時間365日対応するコールセンターがリモートケアベース経由の通話で安否確認を行うとともに、必要に応じて施設職員への連絡を行う。

 居住者からの緊急通報も、リモートケアベースを介してコールセンターで受け付ける。センシングした居住者の咳やいびきなどの音響データから分かる睡眠状況や健康状態をもとに、コールセンターの看護師が居住者の健康相談にも応じる。

 富士通では、同ソリューションの導入で施設職員が夜間に常駐することなく居住者の見守りができるようになることから、夜間の施設運営コストを約80%削減できると見込んでいる。わたぼうしの家では、人手不足で夜間業務に対応できる職員を確保するのが難しい中でも居住者に安心な環境を提供できるとしている。

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