RPAで業務改革を推進、SMFGとSMBCが定型業務の自動化で40万時間の業務量を削減

業務改革に取り組む三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)と三井住友銀行(SMBC)が、生産性向上と業務効率化を目指し、RPAを導入した。

» 2017年11月15日 15時00分 公開
[金澤雅子ITmedia]

 三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)と三井住友銀行(SMBC)は11月13日、RPA((Robotic Process Automation)を活用した業務効率化を進めることで、現在までに約200業務、40万時間の業務量削減を実現したと発表した。

 SMFGとSMBCは、グループ全体の生産性向上、業務効率化、コストコントロールを目指した業務改革に取り組んでおり、重点施策の1つとしてRPAの導入を推進。2016年から実証実験を実施し、試験導入を経て、2017年4月から本部業務の一部にRPAを本格導入している。

 RPAを導入した業務は、規制強化などで業務負担の増加が予想される「コンプライアンス、リスク関連業務」、営業力や企画力の強化に必要な「情報収集業務」、顧客向け資料作成などの「営業店支援業務」や、預金、為替、融資業務などに関する「事務センター業務」が含まれる。これまでに約200業務、40万時間(開発着手分を含むと約65万時間)の業務量を削減したという。

 RPAツールは、UiPathのRPA製品「UiPath」を採用。従業員自らがRPAを簡単に開発できるデスクトップ型RPAと、24時間365日稼働し、大規模処理が可能なサーバ型RPAを共存させた。

 今回の取り組みには、アクセンチュア、EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング、デロイトトーマツコンサルティング、日本IBM、PwCコンサルティングがパートナーとして参画。各担当の部門、業務における導入支援に加え、各社の知見を結集するCoE(Center of Excellence)方式により、ノウハウの確立や、高い品質での開発、運営管理体制の構築を実現。開発手法の標準化やガバナンスコントロール、セキュリティ対策などの強化にも取り組んでいるという。

 なお、IBMはコグニティブ技術を実装するデータキャプチャーソフトとOCRソフトを組み合わせ、紙の帳票を電子化する「OCR共通プラットフォーム基盤」を構築している。RPAと連携することで、紙の帳票を利用する業務も含めた業務効率化が可能になるという。

 SMFGとSMBCでは、RPAの活用によって2017年度末までに100万時間、3年以内に約1500人分の業務量にあたる300万時間以上の業務削減を実現し、人員余力を捻出する計画。また、グループのIT展開を担う日本総合研究所を通して、RPA導入に関する知見を広めていくとしている。

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