連載
» 2017年12月13日 08時00分 公開

夢物語で終わらせない「DevOps」(4):新サービスが作り出せない日本企業に必要なモノ (1/2)

DevOpsにおける課題というと、開発や運用をはじめとしたIT側の話が取り上げられることがほとんどですが、ビジネスサイドに原因があるケースも少なくありません。そもそも、新しいビジネスやサービスが生み出せないという課題に苦しむ企業も多いのです。

[北山晋吾(日本ヒューレット・パッカード),ITmedia]

 昨今、金融とITをかけ合わせ、よりイノベーティブなサービスを作り上げる「Fintech」や、農業とITを組合せた「Agritech」など、話題の「X-Tech」を主体としたビジネスが盛んになってきています。

 それに伴い、顧客ニーズの変化が激しいサービス開発現場では、よりスピードが求められるようになり、失敗しては次の施策を打ち続けるという“アジャイル”的なビジネスプロセスが、デファクトスタンダードになっているように思います。その取り組みの一つが、いま紹介しているDevOpsでもあります。

 DevOpsにおける課題というと、開発や運用をはじめとしたIT側の話が取り上げられることがほとんどですが、ビジネスサイドに原因があるケースも少なくありません。連載の第1回でも紹介しましたが、DevOpsはビジネス側の“正しい要求”があってこそ成立し、効果を発揮します。それが滞っていては、そもそもDevOpsを始めることなどできません。

新サービスやビジネスが作り出せない日本企業

photo サービスそのものを作り出すことに苦戦し、次の一歩を踏み出せずにいる経営者は少なくありません(写真はイメージです)

 私自身、さまざまな企業の方とお話しする中で、サービスそのものを作り出すことに苦戦し、次の一歩を踏み出せずにいる経営者をたくさん見てきました。

 例えば、国内のクラウド事業者では、AWSやMicrosoft Azure、Google Cloud Platformといった、主要パブリッククラウドだけで過半数のユーザーを占めている状況を打破しようと、特化型のクラウドサービスなどを提供すべく、試行錯誤を繰り返しながらパートナー企業と協調を始めている企業は少なくありません。

 しかし、特化型のサービスを作るにも、顧客のニーズを重視しすぎてしまい、利益やコストで差別化する方向で検討から始めてしまうと、主要パブリッククラウドが既に提供しているサービスの後追いになることすらありえます。適切なリソースを考えないまま、アイデアだけに投資するのは難しいことですが、レッドオーシャンに飛び込んでしまっては意味がないでしょう。

photo 最近では、国内のクラウド事業者も、プライベートクラウドを中心にさまざまなクラウドサービスを提供しています(出典:MM総研「国内クラウドサービス市場規模:2015年度」)

 これまでのサービスは、組織の戦略や時代のトレンドさえ押さえていれば、それなりの収益を築けましたが、新たなビジネスやサービスとなると、既存のビジネスがどうしても足枷となってしまい、次の一歩が踏み出せないという状態に陥りがちです。

 その一方で、新サービスやアイデアを生み出す企業では、ビジネスを試しては、新しい利益の源泉を見つけることに、継続的に挑戦できています。彼らは、既存の前提や常識にとらわれず、幅広い視点で考えられるようになるために、どのような仕組みを整えているのでしょうか。

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