何を諦めたかというと、「自分が相手に期待したことを、相手が期待通りにやってくれる」ことを、です。そして、その人に“どうしてもやってもらわなければならないこと”がある場合は、次のように取り組んでいるそうです。
一見、“寂しい対応”に映るかもしれませんが、見方を変えると、人を“苦手”と思うのは、「自分がその人のいいところを見つけることができていない」ということでもあります。それならば、その人のいいところを見つけられない自分を諦め、粛々と対応するほうが建設的です。周囲にとっても、そのほうが望ましいでしょう。
そしてもう1つ、嫌な上司、苦手な上司がいる人に共通しているのは、脳内のかなり大きな領域を「嫌な人の存在」が占めていること。そして、その人の一挙手一投足を「あ〜、イヤだ!」と見続けています。そんなに嫌なら見なければいいのに……と、周囲が思ったとしてもお構いなし。次々に嫌な部分を見つけては、周囲に「だからあの人は……」と、言い続けます。
これは、客観的に見ると、とても無駄で意味のないこと。なぜなら、自分の人生の貴重な時間を「嫌なこと」に奪われているわけですから。
嫌な上司、苦手な上司から“離れる”には、物理的以上に「感情的な面で、自分から切り離す」のが近道。「相手を正そう」と考えることそのものから、一度距離を置くことが必要です。
今思うと、当時の自分に伝えたかったなぁ……と思います。
ではなぜ、私が自分を客観的に見ることや、考え方を変えることの有用性を理解できるようになったかというと、キャリアコンサルタントの資格取得の過程で、かなり徹底的に「自己理解」を深めたからです。一言でいうと、「自分を知らなさ過ぎたこと」がさまざまな問題の呼び水になっていたことを学んだからです。今では、「自分を知る」ことが、問題を減らし、気持ちをラクにする近道であると思うに至っています。
大手生命保険会社営業職、人材育成コンサルティング会社企画営業職、取締役職を経て、2006年1月にSix Stars Consultingを設立し代表に就任。現在は、クライアント企業のブランド力向上につながる研修制度構築、プログラムの企画立案や研修指導に携わっている。詳しいプロフィールはこちら。
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