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“極楽再生”を目指したカノープスのDivXプレーヤー「MultiR DVD」を試すレビュー(2/3 ページ)

» 2004年05月25日 11時24分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

 基本的な操作に関して、迷うことはほとんどないだろう。DVDやCDのメディアをセットすると、メディアを判別し、DVDビデオならビデオ再生、音楽CDなら音楽再生が開始される。PCでファイルを書き込んだメディアならファイル一覧が表示されるため、再生したいファイルを選択して再生ボタンを押すだけでいい。

 音楽再生では、“早戻し”“早聞き”再生もできる。動画と同様に2〜32倍が選択可能で、4倍程度までなら内容も把握できる。ただ、早戻しは再生位置を遡りながら部分部分を正方向に再生するので、かなり不自然ではある。

 ファイル一覧はフォルダ表示に対応しており、フォルダ構造を無視して書き込まれたファイルでも一覧表示可能。またリピート再生も、1曲、全体、フォルダ単位などと指定できるため、CDやDVDメディアに保存すると曲数が多くなりがちな音楽ファイルの再生にも便利だ。

photo フォルダ表示有効の場合。メディアをセットするとPCライクな一覧表示になり、4方向キーと再生キーで再生したいファイルを選択すればいい
photo 上部には現在のフォルダ位置も表示される

 プログラム再生もまずまず。複数のファイルを選択して連続再生が可能で、フォルダをまたがってファイルを選択することもできる。音楽はもちろん、動画でも可能なので、好きなビデオクリップだけ選んで連続再生といった使い方も可能だ。

photo MP3ファイルをプログラム再生中。スペクトラムアナライザも表示される

 ただ、音楽ファイルを再生するときは、ユーザーインタフェースがちょっと独特になる。前後の曲に移動するという概念はなく、画面上の一覧から“曲を選択”して“再生ボタンを押す”という2ステップの操作が必要。動画再生時や、DVDビデオ/音楽CD再生時は「前へ」「次へ」ボタンで前後のコンテンツに移動できるのだが、音楽ファイル再生時だけ異なるため、ちょっと違和感を覚えた。

 細かい点を除き、操作性に関してはほとんど不満がないのだが、問題は日本語ファイル名に一切対応していない点だろう。日本語ファイル名でも再生は可能だが、日本語部分はほとんどがアンダースコアで表示されてしまい、まったく識別できない。

photo 下の3ファイルは日本語交じりのファイル名。日本語の部分は多くがアンダースコアに化けてしまう。確かに日本語ファイル名は邪道とされた時代もあったが……

 もちろん、この点は製品の仕様として明示されている。しかし、今時日本語ファイル名を拒絶している人もそう多くはないはずで、CDDBですら日本語が提供されている状況。また、本機で再生するメディアは、保存用途を兼ねていることも多いだろう。わかりやすい日本語ファイル名でコンテンツを保存しておきたいと思うのが自然だ。少なくとも、この時期に投入される製品としてはかなり疑問が残る。

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