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DivXまで再生できる“生ペグ”対応機――最強ポータブルDVD「BDP-1920」レビュー(2/2 ページ)

» 2004年06月16日 10時25分 公開
[西坂真人,ITmedia]
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 DVDビデオ/音楽CD/ビデオCD/SVCD(スーパービデオCD)のほか、DVDレコーダーなどでビデオモード録画したDVD-RW/±Rディスクの再生も行え、CD-R/RWに記録した静止画や音楽データなどにも対応する……とここまでは最近のポータブルDVDではよくあるスペックだが、BDP-1920はDVDビデオ形式(VOBファイル)になっていない生のMPEGファイル、いわゆる「生ペグ」をDVD/CDメディアに記録して再生できるのだ。

photo DVD/CDメディアに焼いた“生ペグ”をそのまま再生できる

 以前レビューしたエバーグリーンの“生ペグ対応機”「EG-D700」は MPEG-2/1のみだったが、BDP-1920はMPEG-4にも対応。MPEG-4 SP(Simple Profile)、DivX 3.11/4.0/5.03/5.1.1/Xvid規格の拡張子.aviファイルの再生が行える。

 再生方法はディスクをセットして電源を入れると対応ファイルがエクスプローラー形式で表示され、カーソルキーで選んでクリックもしくはPLAYボタンを押すだけという手軽さ。階層構造にも対応しており、フォルダ内のファイルも選択できる。GUIなどはEG-D700と同じで、静止画は右側にプレビューが表示される。

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 メーカー資料による対応記録メディアはCD-R/CD-RW/DVD-R/DVD-RW/DVD+Rで、対応フォーマットはMP3/VCD/SVCD/JPEG/MPEG-1/MPEG-2/MPEG-4(DivX)なのだが、筆者が検証したところDVD+RWメディアの再生もOKで、音楽ファイルもMP3以外にWMAも再生できた。以前のレビューでEG-D700を「再生最強ポータブルDVD」と紹介したが、その称号はBDP-1920が継承することになりそうだ。

 ただし、VRモードで録画したDVDメディアの再生はできず、地上デジタル放送やBSデジタル放送のコピーワンス番組を録画したCPRM対応DVD-RWディスクを見ることはできない。もっとも、CPRM対応のDVDプレーヤーは据え置き型で最近増えているものの、ポータブル機では筆者の知る限りまだ登場していない。シャープのDV-HRD1でBSデジタル放送の映画などを録画したビデオライブラリーが多い筆者は、CPRM対応ポータブルDVDの登場を切に願っているのだが……。

ちょっと気になるさまざまな“騒音”

 大画面で多彩な再生フォーマットと魅力が多いBDP-1920だが、使用時に本体から発生する“騒音”が少し気になった。

 まず、再生時のディスク回転音とシーク音がかなり大きく、これまでレビューしてきたポータブルDVDの中でも最もうるさく感じた。シーク音はディスクの投入時やチャプターの移動時に発生するぐらいで映画の視聴など連続したVODファイルを再生するときには聞こえないので気にはならないのだが、音は小さいながらも「シュルシュル」と連続して発生するディスク回転音は本体スピーカーで映画を楽しむ時にはかなり興醒めになる。

 また、ヒンジ部の回転が鈍く、ディスプレイの開閉時や角度調整時にほんの少しだが「キイキイ」ときしみ音が発生する。製品全体の作り自体は非常にいいだけに惜しまれる部分だ。ディスプレイを閉じた時のロックは一般的なラッチ機構ではなくて磁石を使ったものなのだが、これも開閉時に磁石がパチッとくっついたり離れたりする音が個人的にはあまり好ましくなかった。

photo 再生時のディスク回転音とシーク音、ヒンジ部のきしみ音といった“騒音”が気になる

 実売は6万円台と多彩な再生機能と大画面&実用的再生時間のポータブルDVDとしてはお買い得感が非常に高い。ショップやWeb直販サイトなどでは人気のため入荷待ちになっているようだ。再生時のディスク回転音だけ目をつぶれば、かなりお勧めできる製品といえるだろう。

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