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長風呂もこれで快適!?――“魔法びん”バスがTOTOから

» 2004年06月16日 11時22分 公開
[渡邊宏,ITmedia]

 真夜中に帰ってお風呂につかろうと思ったら、お湯がすっかり冷めていた。といって、追いだきを待つのも面倒で、シャワーで済ませて寝てしまった――家族持ちの多忙な“IT戦士”なら、一度は経験したことがあるだろう。

 家族がお風呂に入る時間と、終電間際に帰るビジネスマンがお風呂に入れる時間には、かなりの開きがある。従来の浴槽なら、その間にお湯が冷めるのは避けられない。どうしたって“追いだき”をしなければ、快適なお風呂タイムは望めないのだ。

 だが、そんな苦労をしなくて済む浴槽が、まもなく発売される。

 TOTOがこのほど発表した新構造の浴槽「魔法びん浴槽」がそれで、前の人が入ってから次の人が快適に入浴できる時間を、“従来比4倍の6時間”まで伸ばすことに成功したという(つまり従来は1時間半だったということで、道理で追いだきが必要だったわけだ)。

 仕組みはまさに“魔法びん”似で、従来は単なる防水用でしかなかった床部材を断熱性に優れる発泡ポリプロピレン製に変更。それにウレタン製の新開発風呂ふたと、浴槽全体を包む発泡スチロール製の断熱材を組み合わせることで、魔法びんのような2重構造による保温を実現した。

photo 魔法びん浴槽の構造。浴槽と床の間に、内断熱材(赤)と外断熱材(黄色)を挟み込む2重構造で熱を逃さない
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 こうした構造を採った結果、お湯の温度が下がりにくくなり、ふたをした状態ならば、冬場(試験では浴室内温度5度)でも6時間後の湯温低下はわずか2度だったという。従来品は同一条件で約1.5時間後には2度下がるというから、確かに“温かさ4倍長持ち”というわけだ。

 これなら、家族が寝静まった後に帰宅しても、直ぐに気持ちよい温度のお風呂に入れる。長時間PCを見続けた目・肩・腰の疲労回復もバッチリだろう(*1)。

 価格は99万7500円(1坪用)からで、カラーはホワイト、ブラウン、グレーの3色。同社の戸建て住宅用システムバス「フローピア」シリーズとして展開される。保温性が高まることから、追いだきの回数が減少、結果として節約にもなると同社では予想している。「一概には言えないが、年間では数千円から1万円程度の節約になるのではないか」(同社)

photo 夕方入れたお湯が朝まで温かいので残り湯洗濯にも最適、というパフォーマンス

 ちなみに、ふたをしていない状態でもある程度の保温効果は期待できるということで、お風呂用TVを見ながら、のんびり長風呂を楽しむ、といった使い方もできそうだ。


*1 記者は独身なので、文中の“家族持ち”的コメントはすべて某編集長によるものです。彼によれば、追いだきをしたまま眠りこけて、奥さんに怒られた経験もあるとか……

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