レビュー
» 2004年06月22日 07時13分 UPDATE

レビュー“真空管アンプスピーカー”を聴いてみました (1/2)

エバーグリーンから真空管アンプを内蔵したスピーカーが登場。真空管アンプならではの光の演出や“暖かみのあるサウンド”も味わえるという。真空管世代でもなくオーディオマニアでもない筆者が“詩的な慣用句”抜きにレビューしてみた。

[西坂真人,ITmedia]

 真空管アンプを内蔵したスピーカー2機種「M-30」「M-20 MKIII」がエバーグリーンから先日発表された。キャビネット上部から真空管が見える構造で、動作時には真空管の光の演出が楽しめるだけでなく、真空管アンプならではの“暖かみのあるサウンド”も味わえるという“ありそうでなかった商品”だ。

 真空管世代でもなくオーディオマニアでもない筆者が、オーディオ専門誌の“詩的な慣用句”抜きに、この真空管アンプスピーカー「M-30」をレビューしてみた。

photo 真空管アンプスピーカー「M-30」

 M-30の貸出機が編集部に届いた時、今回のレビュー企画を少し後悔した。梱包されてきたダンボールが想像よりかなり大きく(560×500×400ミリ)、なにより重さがハンパではなかったからだ。あらためてニュースリリースのスペック表を見ると、サイズは190(幅)×292(奥行き)×381(高さ)ミリで重さ16.6キロ(ペア)とある。最近、軽薄短小な5.1chサラウンドスピーカーばかりみてきた筆者は、“ピュア”なサイズ(重さ)を忘れていた。

photo レビューのため家に持ち帰ったが、腰を痛めてしまった……

 ズッシリとしたボディは、音質にこだわって高級スピーカー並みの素材/パーツを採用しているためだ。

 木製キャビネット部には、特定周波数に対する共振が少なく自然な響きが特徴のMDF(中密度圧縮合板)素材を使用。側面はピアノ調仕上げで真空管とスピーカーユニットは金属製メッシュネットで覆われており、そのアーチを描いた形状がデザインのアクセントにもなっている。

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 “売り”の真空管はキャビネット上部に計3本設置されている。真空管は中国製「曙光」ブランドでアンプに使用している6P3P(6L6)×2本と、初段増幅用?の6F2×1本という構成。アンプ用はメジャーで比較的入手しやすい6L6系なので、球が切れたら好みの真空管に交換して音の変化を楽しむこともできる。

photo 真空管はキャビネット上部に計3本設置されている。アンプ用(大2本)は入手しやすい6L6系

 エンクロージャー内にアンプが内蔵されており、スピーカー1つにアンプ1つというパワーアンプ方式を採用。背面に装備されたRCAステレオ入力端子を使ってAV機器と接続する。本体セットにはオーディオケーブルも2セット(RCA-RCA、RCA-ステレオミニプラグ)同梱されている。RCA-RCAケーブルは中国製ながらOFC素材で径の太いタイプで、いかにも高伝送が期待できそうだ。電源ケーブルも極太タイプを採用している。

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photo 白い手袋は真空管を交換するときに使用。手の油脂が真空管に付着すると破損の原因になるからだ

 また、マニュアルや発表時リリースには記載されていなかったが、小型のパッシブコントローラーも同梱されていた。パッシブコントローラーは増幅回路を持たないボリューム(アッテネータ)とセレクターを組み合わせたもので、プリアンプ的役目を担う。同梱品は入力2系統/出力1系統のシンプルなものだが、ないよりもあったほうが便利だ。

photo 小型のパッシブコントローラーも同梱

真空管アンプの魅力

 50代以上の読者は、真空管アンプに懐かしさを感じる人も多いことだろう。

 最初に逃げ道を作っておくが、30代後半の筆者はデジタルオーディオが急速に普及した1980後半〜1990年代に単品オーディオ(ピュアオーディオなんてたいそうな代物ではない)に少しだけ首を突っ込んだぐらいのオーディオ歴で、当然、真空管アンプに対するウンチクや一家言など微塵もありはしない。真空管モノの記憶といったら、小学生ぐらいまで聴いていた実家の戸棚の上の木製キャビネットのラジオぐらいだ。

 もっとも以前、オーディオユーザーのお宅探訪のような取材を何回か行ったことがあり、その中での1人の真空管アンプマニアに簡単な真空管のイロハを教えてもらったことがある。

 そのマニアのコメントで印象深かったのが「真空管は“生き物”だ」という一言だ。

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