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» 2004年09月17日 23時48分 UPDATE

劇場がある暮らし――Theater Style「国内市場には必ず戻ってきます」――ソニーのリアプロTV戦略 (1/3)

ソニーが先日、期待の新デバイス「SXRD」を搭載したリアプロTVを米国で発表した。米国市場ではすでに、クリスマス商戦向けに液晶リアプロTV新モデルも投入。「そろそろ日本にもリアプロTVの新製品?」との期待も大きい。ソニーのリアプロTV事業戦略について話を聞いた。

[西坂真人,ITmedia]

 液晶/DLP/LCOSなどマイクロデバイスを使ったリアプロTVが、米国で昨年から大ヒット商品となっている。CRT管を使った従来のリアプロTVに比べて画質面で大幅に向上しただけでなく、本体サイズもCRT方式に比べて非常に薄型・コンパクトでスタイリッシュになっているのが人気の秘密だ。

 このリアプロTVに以前から積極的に取り組んでいるのがソニーだ。

 “グランドベガ”の愛称でリアプロTVを全世界展開する同社は、国内でも42/50/60インチという大画面リアプロTVをラインアップ。同サイズのプラズマテレビよりも半分以下の価格で迫力の大画面環境が手に入るコストパフォーマンスから、映画ファンなどに根強い人気を博している。

 もっとも、国内で展開している現行の「HD900シリーズ」は、発売が2002年10月と2年前のモデル。毎年新製品が投入される米国市場より二世代ほど型落ちモデルなのだ。

 だが先週の連載記事(Theater Style)で紹介した通り、先日ソニーは期待の新デバイス「SXRD」を搭載したリアプロTVを米国で発表した。また米国市場では、クリスマス商戦向けに液晶方式の強力な新モデルをすでに市場投入している。「そろそろ日本のグランドベガも、ニューモデル登場?」との期待も大きい。

 ソニーのリアプロTV事業戦略について、テレビ事業本部PJ設計部門長の井上達也氏に話を聞いた。

 井上氏は同社のリアプロTV事業について「透過型液晶方式のグランドベガが、米国で昨年火がついて人気商品になっている。TV事業の中でもリアプロTVは『第3のフラットTV』として重要な位置付け。ソニーとしても柱にしていきたいものの1つ」と語る。

photo テレビ事業本部PJ設計部門長の井上達也氏

米国ではリアプロTVトップシェア

 「米国向けの液晶リアプロTVは、まずハカマをなくしてプラズマテレビライクなデザインにしようということから始まり、開発部門と一緒になって商品化にあたった。デバイス部門とセット部門が一緒になって開発できる体制もソニーの強み。マイクロデバイス方式ではソニーとサムスンが2強でシェア争いをしており、CRT方式も含めるとリアプロTV分野ではソニーが全米トップシェア」

photo ソニーがクリスマス商戦向けに米国市場に投入したXBRシリーズ。ハカマ部分はほとんどなく、プラズマテレビと見間違えるほどのスタイリッシュなデザインだ。写真は60インチの「KDF-60XBR950」

 リアプロTVの新製品はまず米国から、が最近の同社の傾向だ。だが先日、液晶リアプロTVを中国とインドに投入する計画を発表。今後需要拡大が見込めるアジア市場で拡販に力を入れる方針も打ち出している。

 「ソニーのリアプロTV戦略では、市場が一番大きな米国でまずナンバーワンを確保し、次に米国同様の需要が見込める中国などアジアでの展開を考えている。中国はリビングの環境も米国並みに広く、ハイビジョン放送も徐々に始まりつつあり、さらに北京オリンピックに向けてハイビジョンの大幅普及が見込める。また欧州でもすでに液晶グランドベガ3モデルを発売している」

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