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動き始めた“夢の表示デバイス”――ソニー「SXRD」劇場がある暮らし――Theater Style(1/2 ページ)

» 2004年09月11日 03時00分 公開
[西坂真人,ITmedia]

 “夢の表示デバイス”が、量産に向けて本格的に動き始めた。

 9月9日(現地時間)、米Sony Electronicsがフルハイビジョン(1920×1080ピクセル)表示対応の70型リアプロTV「グランドベガ KDS70XBR100」を来年初頭に発売すると発表した(9月10日の記事参照)。

 70インチという大画面だからこそフルハイビジョンのような高精細表示が必要になるのだが、背面投射型のリアプロTVでフルHDを可能にしたのが、ソニーが2003年に開発したプロジェクター向けディスプレイデバイス「SXRD」だ。

photo プロジェクター向けディスプレイデバイス「SXRD」

 SXRDの可能性と今後の展開について、ソニーで開発を担当するイメージングデバイス事業本部マイクロディスプレイ事業部SXRD開発部統括部長の橋本俊一氏に話を聞いた。

photo SXRD開発部統括部長の橋本俊一氏

 SXRD(Silicon X-tal Reflective Display)は、アルミニウムミラーが配列された単結晶シリコンを駆動素子とする反射型液晶ディスプレイ。以前ITmediaで取り上げた日本ビクターの「D-ILA」と同じLCOS(Liquid Crystal on Silicon)の派生デバイスだ。

 今回発表のあったSXRD搭載70型グランドベガの“売り”が200万画素フルHDTV映像であることから分かるように、SXRDの得意分野の1つが「高精細な画質」。

 画質の高精細化は、表示デバイスの中により多くの画素を配列することで可能となるが、そのためには画素1つ1つをいかに小さく、そして画素同士の間隔をいかに狭くするかがカギになる。

 「高精細化でわれわれが重視するのは画素のピッチ。SXRD(2K)の画素は9μメートルピッチで、世界最高精細に近いサイズ。画素間を狭くするのも重要でSXRDでは0.35μメートルと非常に狭く、対角0.78インチのデバイスに200万個のアルミニウムの画素が並んでいるのだ」

photo SXRD搭載70型グランドベガ
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