コラム
» 2004年10月12日 07時28分 UPDATE

DLNAで一躍脚光を浴びる「DiXiM」とは何か (1/3)

家電・PC・モバイル機器の相互接続性を実現するため、標準化活動を推し進めるDLNA。Intelや松下、ソニーなど各業界をリードする企業が参加している同団体で今、福岡のソフトベンダーが開発した「DiXiM」が注目を集めている。

[小寺信良,ITmedia]

 話は、2003年4月までさかのぼる。筆者はその日、福岡に本社をもつ(株)デジオンの東京オフィスに呼ばれて、あるデモを見せて頂いた。

 デジオンは、PCの世界で古くはオーディオ系ソフトハウスで知られている会社だ。同社の「DigiOnSound」は、「SoundForge」などと並んで、オーディオデータ編集ソフトとして人気のあるソフトだ。DVD系では、あの「Drag'n Drop CD+DVD」の開発元としてご存じの方もいらっしゃるだろう。

 そんなデジオンで、ホームネットワーク系のミドルウェアを作っているという。しかしその当時、「PCで動くサーバとクライアントを使って、映像や音楽、写真といったコンテンツをPC間で共有できる」ということは実際にデモンストレーションしていただいて理解できたのだが、これがミニコンポに載ります、とか、DVDレコーダーに載ります、と説明されても、実際にどのように動作するのか、イメージがまったくつかめなかった。

 そもそもデジオンはハードウェアメーカーではないので、自分たちでミニコンポなどにミドルウェアを試験的に実装してみるということができない。そうなったら面白い?という、完全なる「絵に描いた餅」であった。

 それってうまくいくのかなぁ、と、当時、事業推進室担当取締役であった長谷川 聡氏のお話を伺いながら、ぼんやり考えたものである。むろん技術的に疑問視しているわけではなく、地方の一ソフトハウスが家電業界に食い込めるものなのか。そう言う部分でどうなのかなぁ、と思ったわけである。

 だがそれからたった1年半で、事情は激変していた。CEATEC会場である幕張メッセのHALL 1中央に設けられたDLNA(デジタル・リビング・ネットワーク・アライアンス)のブースでは、複数のメーカー間の機器がDLNAの推進するガイドラインの上で、お互いのコンテンツを共有して再生できるというデモンストレーションが行なわれていた。

photo CEATEC 2004のDLNAブース

 先頃発表されたDLNA対応DIGA「DMR-E500H」やVAIO typeX、国内メーカーPCなど、ネットワーク関連商品が一堂に会したデモは、派手な演出はなかったものの、なかなか壮観であった(本来DLNAは団体名であって、規格名ではない。したがってDLNA対応という言い方はヘンなのだが、他に適当な呼び方もないので、ここでは便宜上そう呼ばせていただくことにする)。

 その中で、VAIO以外のほとんどのPC上で動いていたホームネットワークサーバ/クライアントソフトが、デジオンのDiXiMである。

突然実現したように見えるが……

 まずここで押さえておきたいのは、DLNAが推進する相互接続の世界が実現できたベースには、「UPnP AV」という規格があったという点だ。2002年6月に誕生したこの規格は、ホームネットワーク上にあるデジタルデバイスをコントロールすることを目的としている。

 前段でVAIO以外のPCメーカーと書いたが、VAIOは以前からVAIO Mediaというサーバ/クライアント型の、コンテンツを配信できる仕組みを作っていた。VAIO Mediaは、2002年秋モデルからすべてのVAIOにプリインストールされているが、当初はUPnPを独自に拡張したプロトコルであったようだ

 詳細は明らかにされていないが、筆者はVAIO MediaのプロトコルがUPnP AVに採用され、それがそのままDLNAまでスライドしてきた、と見ている。

 同社のAVネットワークアダプタ「ルームリンク」も、2003年10月のファームウェアアップデートでUPnP AVに対応している。ということは同時に、ルームリンクはDLNAのクライアント機にもなりうるということを意味している。

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