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庵野監督、“埼玉のパルテノン神殿”で「地下の魅力」を語るレポート(2/2 ページ)

» 2004年11月22日 09時51分 公開
[渡邊宏,ITmedia]
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 フォーラムでは作家の荒俣宏氏から寄せられたメッセージが読み上げられたのち、「のび太の冒険に見る地底の存在意義」(地底文化総合研究所)、「わたしが地下を好きなワケ」(日本製鋼地下室協会会長 東方洋雄氏)、「地底の守護神の正体」(国土交通省大深度地下利用企画室 松下隆平氏)、「地下空間の魅力を探る」(地下都市研究会)といったプレゼンテーションが行われた。

photo フォーラムの様子。司会はソーシャルイベントプロデューサーの山名清隆氏(右端)。これまでにもシールドマシン発進式典など7つの地底見学プログラムをプロデュースしている

 コメンテーターとしては、映画監督の庵野秀明氏や写真家の内山英明氏、日本製鋼地下室協会会長の東方洋雄氏、国土交通大学校教授の宮尾博一氏が参加。プレゼンテーションを受けながら、調圧水槽のような地下建造物や「地下」そのものについて、おのおのが抱く思いを語り合った。

photo 地底文化総合研究所によるプレゼンテーション「のび太の冒険に見る地底の存在意義」より。劇場版ドラえもん25作品中、地底にいるシーンを合計すると1万4674秒になるそうだ。覚えておけば自慢できるかもしれない

 東方氏は「地下室と屋根裏部屋があると、男性は地下室、女性は屋根裏部屋を選ぶことがほとんどなんです。地下室は“子宮”ともいえるスペースで、そこに男性は惹きつけられるのかもしれません」と自説を展開。

 日本各地の地下空間を収めた写真集「JAPAN UNDERGRAND」の作者、内山氏は地下建造物の魅力について「装飾やデザインを取り払ったからこそ生まれるそぎ落とされた感覚と、土圧の緊張感。この二つです」と語る。

photo 現在、「JAPAN UNDERGRAND」の第3段を撮影中という内山氏

 代表作のひとつ、「新世紀 エヴァンゲリオン」にも巨大な地下建造物を登場させた庵野氏は「(地下が好きなのは)たぶん、穴が好きだからです(笑)。それと巨大建造物が好きなのは“ヒトが作ったモノだ”というのを感じられ、しかも機能美というか、無駄がないからです」とその魅力を語る。調圧水槽に入った感想を求められ、「役所の仕事は面白いなぁ。今度はぜひ作っている最中も見たい」とも。

photo 庵野氏。山中をくりぬいて建造されたニュートリノ観測施設スーパーカミオカンデも数回見学しているほか、お気に入りの建造物は東京タワーと霞ケ関ビル、クロヨンダム(富山県の黒部川上流に建造された発電専用ダム)などだという
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