暑い……。とにかく今年は暑い。「暑いから」なんて言っておけば、何とかなる気もするほどの猛暑となっている今年、涼を求めてまたもや地下に潜ってみました。
今回潜入したのは東京のど真ん中、日比谷の地下30メートル。正式には「日比谷立杭および路下ヤード」と呼ばれる空間。
現在、虎ノ門から日比谷の地下に全長約1500メートルのトンネルを建造し、水道・電気・ガス・通信など各種ライフラインを収納する「日比谷共同溝事業」の作業が進行している。そのゴール地点がこの日比谷立杭で、その作業スペースとして作られたのが路下ヤードだ。
トンネル掘削の様子は以前紹介したとおり。スタート地点の虎ノ門を4月に出発した掘削機械(「沈黙のシールドマシン」)は、現在、約60メートル地点までを掘り進んでいる。
路下ヤードの広さは幅9.7メートル×長さ47.7メートル×深さ6.7メートル。代々木公園にあるオリンピックプール(インドア50)は幅12メートル×長さ50メートル×深さ1.25メートルなので、オリンピックプール4杯分(?)のボリューム。
この路下ヤード、実は単なる作業スペースではない。共同溝が完成した際には地下調整池になり、都市水害に対しての備えになるほか、貯水した水を路面にまくことによってヒートアイランド現象の緩和にも用いられる。
ここで地下10メートルの気温をチェック。34.1度。涼を求めて地下に入ったつもりだったが……。
ここからは更に地下深くへ潜ります。
76段の階段を下って地下30メートルの立杭最下部へ。地下深くに潜ったにもかかわらず、涼しさはなく、ねっとりとした空気が周りを支配する。
ここでもう一度気温チェック。33.6度。路下ヤードよりは少し涼しいが、それでも地上より暑い…。
「地下に潜れば涼しいかも」と、鍾乳洞のようなヒンヤリ感を期待して地下に潜ってみたものの、どうも思惑通りにはいかない模様。係の人に聞いてみると、「今日は涼しいですね。暑いときにはこんなもんじゃないです」とのこと。
至る所にエアダクトがあるので、風が当たるところにいれば気温ほど暑くは感じない。しかし、エアダクトは涼を取るためではなくて窒息防止のタメ。地下には地下のルールがあることを実感。そして、地下といっても必ずしも涼しくはないことも痛感。
正直、暑かったです……。
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