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“冬ボ”で狙いたいホームプロジェクターバイヤーズガイド(5/6 ページ)

» 2004年12月17日 01時20分 公開
[本田雅一,ITmedia]

HS50の10万円差は許容できる?

 これまで何度かTH-AE700とLP-Z3を試用し、この2機種のいずれかを選択するのが今年のベストと確信した。だが、異なる性格のこの2製品のほかに、液晶プロジェクターにはもうひとつ気になる機種がある。ソニーのVPL-HS50だ。

■ソニー「VPL-HS50」
御三家とは一線を画すクオリティ――ソニー“シネザ”「VPL-HS50」
ソニーが年末商戦に投入する家庭用プロジェクター“シネザ”「VPL-HS50」は、現在市場を牽引する松下、三洋電機、エプソンの20万円クラスの製品とは一線を画すクオリティを持つ。透過型液晶パネル搭載ホームシアタープロジェクター・トップエンドモデルの実力を探ってみた。

 プレス向けのブリーフィングに持ち込んだ試作機の画質がイマイチだったようで、専門誌筋からはあまり評価が高くないVPL-HS50だが、本サイトでのレビュー記事で使った個体やその後の製品版などを見る限り、20万円クラスとは全く異なるレベルのコントラスト感と絵作りだと感じた。

 VPL-HS50のデフォルト設定でシネマモードを選んでも、暗いばかりであまり良いとは思わないが、色温度を中、ガンマを1番、アドバンストアイリスをオートに設定すると、モニタライクな安定感のある画質になる。アドバンストアイリスオートは、大きくシーンの明るさが変わる部分で若干の不自然さはあるものの、黒浮きが目立たず暗いシーンでの階調も良好。さらに明るいシーンでの刺激的な輝度も両立している。

 絵作りはソニーらしいモニタライクなものでクセが無く、LP-Z3よりもさらにソースを選ばずに安心して見ていられる安心感がある。一度、画質設定を決めたなら、ほとんど変更する必要性を感じない。ブラウン管テレビに近い印象の絶妙の絵作りとトーンカーブの追い込みだ。肌色や新緑に、若干の演出は感じるが基本的にはソースに対して忠実な方向でのチューンが行われている。レンズの解像感の高さも魅力だろう。

 問題はこうした画質面でのアドバンテージに、価格差となる10万円以上分の価値を見いだせるかどうか。もし価格差を許容できるなら、今回、同時比較撮影には持ち込まなかったがVPL-HS50を一押しにしたい。

 同様に20万円の売れ筋クラスよりワンランク上の製品に、エプソンのEMP-TW500がある。この機種は徹底した高画質設計と丹念なチューニングで、下位機種のEMP-TW200Hと同傾向な自然な絵作りに加え、より高い色純度、より高いコントラストを実現。中でもシアターブラックモードは素晴らしい絵だが、このときの明るさは500ルーメンと暗め。遮光さえ完全に行えるならば、価格が下がってきたこともあり魅力ある選択肢となりうるだろう。

■セイコーエプソン「EMP-TW500」
D4パネル最高峰プロジェクター、エプソン「EMP-TW500」の実力
エプソンD4パネルのリファレンス機ともいえるホームプロジェクター「EMP-TW500」。その完成度やレベルの高い画質は、20万円クラス機とは一線を画す。透過型液晶プロジェクター中トップとの呼び声も高いTW500の実力を探ってみた。

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