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» 2004年11月05日 21時09分 公開

レビュー:劇場がある暮らし――Theater Style :御三家とは一線を画すクオリティ――ソニー“シネザ”「VPL-HS50」 (1/7)

ソニーが年末商戦に投入する家庭用プロジェクター“シネザ”「VPL-HS50」は、現在市場を牽引する松下、三洋電機、エプソンの20万円クラスの製品とは一線を画すクオリティを持つ。透過型液晶パネル搭載ホームシアタープロジェクター・トップエンドモデルの実力を探ってみた。

[本田雅一,ITmedia]

 ソニーの“シネザ”「VPL-HS50」は新開発の720pフォーマット対応ワイド液晶パネル、前モデルVPL-HS20で好評だった高画質映像回路を搭載し、電動の円形絞りによる動的なアイリス制御機能“アドバンストアイリス”を用いることで、最大6000:1の高コントラストを実現した家庭向けプロジェクターだ。

photo 最大60000:1の高コントラスト比を実現した「VPL-HS50」

 元より黒沈みやコントラスト感、絵作りなどでは評価が高かったこのシリーズだが、今回は静音性(ランプモード低時には24dB)やレンズシフト機能を搭載したことで、設置性も大幅に向上している。VPL-VW12HTの後継機種は予定されていないため、透過型液晶パネル搭載の家庭向けプロジェクターとしてもトップエンドに位置付けられる。

 店頭予想価格は35万円と、これまで紹介してきた液晶プロジェクターよりワンランク上の価格レンジに位置する本機は、その価格に見合う画質を実現しているのだろうか?

定評あるHS20を基礎に全面リファイン

 前モデルVPL-HS20に盛り込まれていたほとんどの技術的な要素は、本機でもそのまま継承されている。たとえば12ビットデジタル処理、液晶パネルへのマイクロレンズアレイ(MLA)搭載、ハイビジョン対応I/P変換回路、3Dガンマ補正といった高画質技術はすべて継承されている。

 ただし、採用されている液晶パネルのサイズ・解像度は一回り小さくなった(0.87インチ・1386×788ピクセルが、0.73インチ・1280×720ピクセル)。計算してみると、若干ながら画素間ピッチも小さくなっているはずだが、パネルそのものの開口率やコントラストといった諸特性に関してはHS20と同じレベルを維持しているという(具体的なスペックは未公開)。

 MLAやワイドビューパネルの搭載も共通。MLAはランプからの光を画素ごとに集光し、画素間にある格子(ブラックマスク)を避けてより多くの光を通すための技術。ワイドビューパネルは視野角を改善するための光学補償パネルで、コントラストや色純度を高める効果がある。この二つの技術の組み合わせにより、HS20はコントラストを伸長させるギミックなしで1300:1のコントラスト比を実現していた。

 本機もそうした素性の良さは引き継いでいる。おそらくだが、アイリス全開時に1000:1、全閉時で1500:1ぐらいのコントラストが実力としてあるように見受けられる。ただし、135ワットに下げられたUHPランプ(HS20は180ワット)や、より絞り込み範囲の広がった6枚羽円形絞りなどもあって、全閉にしてしまうと暗くなり過ぎて絵が極端に力を失う。

photo アイリスには6枚羽円形絞りを採用

 本機のアイリス制御は、“オフ”、“オン”、“自動”の3モードがあるが、オン時はアイリス全閉よりもやや開いた位置に調整される。このときのコントラスト比は、ソニー担当者によると「おそらく1300:1、HS20と同程度になるだろう」とのこと。つまり、動的なアイリス制御を行わない場合の画質は大きく変わらない。

 スペック上では1000:1〜6000:1と謳われているが、6000:1とはアイリスモードを“自動”に設定した場合の数値である。アイリスが自動に設定されていると、映像信号が全黒の場合は全閉に、全白の場合は全開となる。このときの輝度差が6000:1というわけだ。当然、映像によってコントラスト比は異なってくるため、最低1000:1から最高6000:1という表記になっている。

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